【創作小説】最後の一週間。#2
「おはよう。」
「おはよう…。」
なんとなく元気のない母を見て、覚悟しながら、ポチの方へと向かう。いつもの場所にいるものの、横になって、動かなかった。元々、アレルギーで鼻詰まり気味なこともあり、少しだけ鼻息が荒い。僕に気づくと、目を開けて、手をなめる。そんなポチの頭を静かに撫でた。
「なんか、朝ドックフード食べられなくなってね…。」
お椀にはドックフードが残っていた。普段なら、すぐに平らげてしまうのだから、その異常さはよく理解できた。
「腎不全って…味覚が変わっちゃうんだっ