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やめたとしても終わらない、いまはずっと道の途中。〜映画『火花』を観て〜

遅ればせながら、ピース又吉さん原作の『火花』を観ました。

あらすじは毎度の如くここでは割愛しますので、
気になる方は原作やあらすじをご覧くださいませ…!

お笑いコンビを組む駆け出しの芸人・徳永(菅田将暉くん)は、あるとき営業先で出会った年上のコンビの漫才に衝撃を受ける。彼はそのコンビのボケ担当・神谷(桐谷健太さん)に弟子入りを志願。神谷は受け入れる条件として自身の自伝を書くことを命じる。2人は仕事がなくとも刺激的な日々を共に過ごしていくが、やがて徳永の仕事が増え、2人の間にすれ違いが起き始める。

てなかんじで菅田将暉くんと桐谷健太さんが主演の映画。
主題歌『浅草キッド』はふたりで歌ってますね。(ふたりとも歌が上手…)

師匠と弟子のお話なのね。

事前情報をなにも入れてなかったわたしの問題なんだけど、
ふたり(徳永(菅田将暉くん)と神谷(桐谷健太さん))がお笑いコンビの話だと思ってたから、
別々のコンビの話って冒頭でわかって、
「あ、そういうお話なんだぁ」って意外性を感じてワクワクw

夢を追うために必要なことはひとつじゃないんだなと。

作中ではたくさんの駆け出しのお笑い芸人が登場し、
オーディションやネタ見せ、営業の様子が描かれる。

なかでも徳永のコンビに焦点は当たっているんだけども、
夢を追うときに必要なものは「夢を叶えたい」という気持ちひとつだけじゃないことが痛いほど伝わった。

夢を叶えたいという気持ち=覚悟だとすると、
それ以外にも、掴むまでの苦しい思いや生活に耐える心
現状よりも上に行かないといけないと思う向上心
自分が伝えたいことを伝えるという信念

徳永には「自分が面白いと思うことを表現する」という信念があった。
世間の目があることも理解し、お笑いと向き合い、相方とともに売れたいと思っていた。

神谷さんは自分が面白いと思ったことを貫き通し表現しているが、世間の評価は得られず、生活も苦しくなり自分を見失うような場面も。
お笑いで売れたい、という覚悟よりもお笑いをやっている自分の人生をこの世に残したい思いでお笑いをやっているという感じ。

わたしはお笑い、もっと大きくいうと世の中の仕組みなんかもよくわかっていないから、
なにをどうすれば売れるとか、成功法なんてのはわからない。

いろんな生き方をする人がいる中で、
この物語の徳永と神谷さんは同じ芸人でも、ここが違うように描かれているのかなと思った。

師匠と呼べる人がいるのいいな

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急に電話がかかってきて、
今日はどんな日だった?とか、いま腹減ってる?とか聞かれてみたい人生だった笑

人付き合い苦手だからそこまでの距離感になれる人、そうそういないけど笑

男の人同士のほうがよくあるのかな。
憧れる。
それくらいの信頼関係築いてみたい。

まったく異なった人間たちがひとつの場所に集い、同じ道を志す不思議な関係

徳永のコンビは、相方の生活の変化により、解散をすることを決める。
ラストライブの前、徳永はこれまでともに売れることを目指してきた芸人たちに感謝と賞賛の言葉を思う。

汚れたコンバースで楽屋に入ると、同じように貧相な格好をした連中が沢山いた。彼等は、束の間、自分が世間から置き去りにされ、所詮芸人と馬鹿にされていることを忘れさせてくれた。それは駄目な竜宮城みたいなものだったかもしれないけれど。一言も話したことなどなくとも、もし彼らがいなかったら、こんな狂った生活を十年も続けることは出来なかっただろう。

自分以外にも、同じ方向を向いて、苦しんだり喜んだりしている人がいると思うと救われるし、
自分だけ飽きらめるわけにはいかないなって思う気持ちはわかる。

狭い世界で生きているようで、自分が感じているよりも世界は広くて、
でも広い世界に出ようとすると、自分はあまりにも小さすぎることを実感する。

いまあるものに感謝をしつつ、
夢を持って、未来に希望を抱いて、すこし先の道だけしっかり見つめて生きていたいと思ったよなぁ。


生きている限りバッドエンドはない。

素敵な言葉だよね。

一度本気で志したもの、本気で愛したもの、
それらは関わった時点で、やめたとしても続いていくものなんだ。

そして諦めたとしても、絶望したとしても、
生きている限りバッドエンドはない。
それはずっと続いていくものであり、いつでもはじめられるから。
そうメッセージを受け取りました。


この作品を語る上でみなさんが「これぞ」と口々に書いているこのフレーズ。
わたしも耳に残ったのでこちらで終わりたいと思います。


生きている限りバッドエンドはない。僕たちはまだ途中だ。これから続きをやるのだ。


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