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山の幸を味わう静かな温泉宿のこと
アニサキスアレルギーになり、食べられない魚が増えてしまった。最近の宿はどこもアレルギー対応をしてくれるけれど、舟盛りが名物!みたいな海辺の宿には行きにくい。
そんなわけで、今年の梅雨旅行は川魚を中心としたお料理を出してくれる船山温泉に決めた。
船山温泉とは
船山温泉は静岡県と山梨県の県境にある渓流沿いの小さな宿だ。温泉の名前がそのまま宿の名前になっている。山の緑が窓いっぱいに広がり、渓流に流れ落ちる滝の音だけが聞こえる。
「何もないところだから、ただゆっくりと過ごしてほしい」というコンセプトのもと、チェックインは13時と早く、翌日11時のチェックアウトまで22時間滞在できる。
ただただゆっくりと過ごす
館内はゆっくり過ごすための心遣いが随所に溢れている。まず、ロビーから廊下、お部屋まですべて畳敷でチェクイン後はずっと裸足で過ごせる。お風呂に手ぶらで行っても、新しいふわふわのタオルがたくさん用意されている。弱アルカリ性のお湯はとても優しく、肌がツルツルになり、よく温まる。露天風呂からは天然の滝が間近に楽しめて、ふと視線を落とせば、緑の中に真っ白な百合の花や紫陽花が咲いている。
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お風呂上がりは、大きなポットに用意された冷たいお水か麦茶でまずは喉を潤して、渓流沿いのお庭でスパークリングワインを頂いた。ロビーのゆったりしたソファーでワインを飲んでおしゃべりしたり、お庭の木の下で読書をしたり、他のお客さんも思い思いの時間を過ごしていた。
リトリートという言葉がぴったりの場所だ。
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山の幸を存分に味わう
夕食は18時からお庭に面した大きな窓がある個室で頂く。
2人で景色を楽しめるように窓に向かってテーブルセッティングがされていて、美しいお料理の向こうには日暮前の夏の景色が見える。
ホームページに「山の幸が苦手な方は予約をご遠慮ください」と注意書きがあるほど、地のものにこだわったお料理の数々。
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お刺身は馬刺しと信州サーモンと岩魚!生わさびを鮫皮ですりおろして一緒に味わう。このあたりの名物であるクレソンの冷製スープは苦味と甘味がバランスよく、川魚の後味をすっきりさせてくれる。
岩魚の炭火焼きに噛り付いては日本酒を飲む。
メインはサーモンのしゃぶしゃぶて甲州ワインビーフのローストビーフ。そして最後は岩魚のだしで炊いた夏野菜の釜飯!山梨の日本酒4合と共に美味しく頂いた。他では出会うことの難しい唯一無二のお料理だと思った。
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夕食後は用意されていたカモミールティーやミントティーをガラスポットで入れて、ネットフリックスで映画を観て、温泉に入って早めに眠った。
夜の露天風呂からは舞台の主役みたいにライトアップされた滝がよく見えた。絶え間なく聴こえてくる滝の音に包まれた夜は不思議ととても静かだった。
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