【ハイスペベンチャー記】働き方柔軟さ自慢の会社で、病んだ話
マミートラックを脱しよう!
働き方を自由に!
ママでもキャリアアップ!
これは、過去の転職歴のお話。
当時は女性の育休復帰が当たり前になってきたころ。戻れるのはいいが、育休前にくらべたら"閑職"めな部署に異動になったり、責任や裁量を軽減されたりということが多く。
マミートラックなんて呼ばれていた。
そんなころ、こんなキラキラワーキングマザー向けの謳い文句が飛び交っていて、とっても憧れた。そして起こった1度目の転職の話。(時系列バラバラなのはご容赦)
氷河期世代、入社から16年目の話
子どもを持ってから、この会社では就学してからの働き方に限界が来るぞと思い、働き方を変えたくてワーママになってから初の転職に踏み切った。
週3日から相談可能、
フルリモート可能、
しかも年収は上がる。
という条件で入った創業10年目のハイスペック(※)ベンチャー会社の話。
(※)ハイスペックとは:来る人来る人ロジックで固まった高学歴なみなさんだったため、そう呼ぶ
初日にあいさつできたのは3人
初日に入ったオフィスは人事の方と、もう1人2人しかいなくて、がらんとしていた。
自己紹介とか、、しなきゃ。と少し緊張して行ったが、なんだか肩透かし。
電話の出方も、ちょっとしたわからないことも聞く人すらいない。
元々外勤の方が多く、仕事はほぼ全てクラウド環境でチャット文化。
フリーアドレスだし、社員みんな定席もない。
「働き方が柔軟」
そうなイマドキのIT会社だった。
憧れのフルリモート、これで子育ても難なくクリアできる!と高揚した。
ここの前職だった大手企業では、社用PCの外部持ち出しができなくて、VPNを与えられているのも部長クラス以上〜。
出社して1時間で保育園からお熱のコールがかかってきて、来た道を逆戻り、そのまま仕事は溜まっていくので、体調が完全に戻るのを確信できないままに、無理やり保育園に預けたりもしていた。
解熱はしたけれどもう1日だけ様子が見たい、そんなときに自宅からのリモートができればどんなに楽か・・・。
そんな思いで期待した新しい会社。180度違う、あいてぃーベンチャー企業。
どんな顔でチャット打ってる?チャットの向こうにいるメンバーの表情を必要以上に意識する
入社当初は出社してね、という決まりだったので、出社するが、上司はじめ先輩方もフルリモートなので、会えない。たかが全社で数十人の規模だったのに、全員に面と向かって会えたのって半年くらい経ってからだったかな。
とにかく、みんなBOTなの?って思うくらい、人となりも分からなければ、誰にどう話しかけていいかも分からず。
人事の方も
「半年くらい会ってない方もいるかな〜。AIなんじゃないかなんて思ってる!笑」
なんて。
これって、わたし(新人)出社してる意味あるかな?
細かいことが聞きにくいチャット文化
チャットでやり取りしていても、ある程度関係を重ねた人同士であればなんとなく脳内で再生される行間や声色ってその人のものになるでしょう。
新人には全く想像つかないんです。どんな顔でこの文面を打っているのか?怒っているのか?笑っているのかも。
ひとこと送るだけでも、とても気を使うようになってしまった。
資料のやり取りもシビア
コンサルタント業であったため、ここは完全にわたしの実力不足だった。
期待されてたアウトプットにズレがあったとき。
初めに語ったように、周囲みんなロジックおばけ。
「このページの題とサマリと本文が合ってない!」
「で、はぴまむさんは何をしたいの?」
お客さんに出す資料ひとつ取っても、いいものを出そうとする時に今までの能力から切り崩して使えるものも少なく、もちろんコンサル経験なんて初めてだし、先輩が隣でどんな動きをしているのか、背中を見て学ぶ機会も少なくて、引き出しの少なさに泣けてきた。
打っても打っても戻ってくる壁打ち状態。
深夜まで資料作りが続く。
フルリモート、働く時間もフリーで24時間チャット状態
フルリモート、完全成果主義の社風だったので、9時5時!な常識は通用せず。
子育て中でも時短は取らず、昼間は私用に使っていて夜の時間を充てる方もいた。当時先進的だと思うけど、”ワーケーション”する人もいて、バケーションで行っている海外の時差から働く人もいたり。本当に自由。
夜中にアクティブにする方もいて、ビジネスアワーなんて定義がなくて、24時間がつねにチャット状態。
ビジネスアワー以降は子育て集中アワー、その後は気力体力尽きていたわたしにとって、あまり合うものでなかった。
やってみるまで、実感できなった自由がゆえのデメリットだった。
追いかけてしまっていたら、体調に変化が
早くこの文化に慣れて、必要だと思って欲しい一心で、このいつでもどこでもかまわずチャットに対応して、夜中にPCを開けて仕事することを始めてしまってから、休めていない感じがしてきてしまった。
会社に行こうとすると心臓がドキドキする、朝ごはんが喉を通らず吐き気がする。上司とMTGしていて頭が真っ白になってしまって、思考がシャットアウトされたような気がする・・・。
ものが食べられないので、みるみる体重が減っていってしまった。
はじめて心療内科に行くはめになった
子育てにも身が入らなくなり、これはどうにもこうにも私生活さえ破綻する気がして、人生ではじめて心療内科に行くことになった。
くだった診断は「抑うつ状態」。
「うつ病」とは断言されなかったものの、そういう状態に心が向いていることは自覚して欲しい、と言われてしまった。
からだって正直。まだ有休を持っていない頃でしたが、会社に相談して1日だけ欠勤して何もせず過ごすことになった。
続けられなくなり、なんとか1年へばりついて、で退職
上司と人事と相談して、数ヶ月の休職も勧められた。
だが、休職から復帰した時にまたこのペースと職種で続けていくことに自信がなくて、結局退職を決めてしまった。
本当はうつ状態のときって、新しい選択はしないほうがいいと言われていた。とにかく休ませることを先決にするのみ。
ここで決断したことは主治医の先生からは渋い顔をされた。
働き方ジプシーに
子育てにもっと比重をおきたくて、最高に自由な環境に入ったのに、自由すぎて溺れてしまい。自分を追い込んでしまい。
ある程度時間にメリハリがあったほうがいいのか、そもそも社員同士仲がいいことを重視するのか、仕事内容を変えるのか、・・・。
ふたたび働き方ジプシーになってしまった。
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