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子雀を見守る親雀と母と娘

​​​​家庭菜園のトマトときゅうりに水をあげているとドサッと後ろで音がした。
振り返ってみると地面に小さな子雀がいた。
私を見上げている。
ドサッというほど大きな音はしなかったのかもしれないが、歩いてあんな音はしないだろう。
羽ばたこうとしたのか?
落ちてきたのか?
足を怪我しているのかな。

数日前テレビでバードウォッチャーの方が雛が落ちているのを見かけたら、
「その場を離れてください。
親鳥が雛に近づこうと近くにいるかもしれないけれど、
人間がいることで近寄れないかもしれないので。」
その発言を思い出し、私もそっとその場を離れた。

三メートル ほど離れたびわの木から小鳥たちのさえずりが聞こえる。
まるでどこに行ったんだろう?
どこにいるの?
と話しているようだった。


「ひなはここにいるよ」

心の中で伝えた。


しばらくすると二匹の雀が飛んできて、
ひなから二メートルほどの山桜の木にとまった。
そこからならひなの姿が見える。

先ほどと、さえずりの仕方も変わっている。

「まあよかった親鳥が見つけてくれたんだ」

一羽はいつのまにか飛び去り、一羽が見守っている。


家の中から見守っていたが、ひなは親鳥に気がついたのか私は気になり庭に出た。

ひなは、ほとんど場所を変えていないようだった。


娘と二人、窓から様子を見守っていた。
しばらくして、娘が見に行き「いなくなったよ」と言うので
私も見に行った。

ひなは、一メートルほど親鳥が止まっていた木へ近づいていた。
人間が二人も出てきて声を出したためか親鳥が飛び去ってしまった。


万が一、猫が入ってきたらと心配して、娘と見守っていたが大丈夫そうなので、
そして気になり様子に行く私たちの方が親子雀の邪魔をしてしまうので
散歩に出ることにした。



散歩に出て、空を見上げると電線に雀がたくさん止まっていた。


そして雛たちが順番に、飛ぶ練習をしている。

上手に飛べる子は稀で、危なっかしい子がほとんどだ。

この時期雛が落ちているのは、練習過程のことなのだな。


そしてこの一句が生まれた。

雛を見守り励ます親鳥のような子育てをしたいものだと思った。


子育てを雀に学ぶ春入日


家に戻ると親鳥もひなの姿も見えなかった。

無事に親子で飛んでおうちに帰ることができたのだろう。 


子雀

第3回THE_NEW_COOL_NOTER賞文芸部門に参加し、講評をいただきました。

嬉しいです。ありがとうございました。

他の句を詠んだときのことも随時、書いていきたいと思います。

俳句は発表した後は、読んでくださった方に自由に解釈していただくものですが、
私たち親子の記録のようなものでもありますので、
そのときの情景や心情の思い出の記録として、書き残したいと思います。

また読んでいただけると嬉しいです。





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