【書評】学校がウソくさい
「校則のウソ」「学校のウソ」「校長のウソ」という学校の不都合な真実からまず書かれていて、読んでいて共感の嵐だった。
ツーブロック禁止とか、機能していない一斉授業とか、高額な制服のまま現状維持している学校は時代の流れにも鈍感な場合が多いとか、「ほんとそう!」「よくぞ言ってくれた」と爽快感さえ感じながら読み進めた。
この本の著者の藤原和博さんは、杉並区の中学校や奈良市立の高校で校長を務め、つくば市では校長や副校長&教頭の研修センターでも管理職を指導していた、現場を知っている教育の専門家である。
現場の先生の苦難をないことにしているわけでは、決してない。教育現場が時代にあっていないからこそ、先生たちの負担が大きすぎるからこそ、時代に合わせて変えていこうよと問題提起しているのである。
政府による教育改革が遅々として進まなかったとしても、どんなことならできるか?という具体策がたくさん書いてあり、それらのほとんどは著者が教育現場で実際にやったことばかりとのことだった。
この本からは、私自身の日々の活動に直結しそうなヒントをたくさんもらえた。
私はこれまでPTA役員や卒対委員や周年委員などを経験した。読み聞かせのボランティアグループの代表歴は5年を超え、小学校の図書活動も行っている。
今年度からは、小学校のコミュニティ・スクール(CS)委員や学校支援地域本部の地域コーディネーターのメンバーとして、息子が通う小学校のマネジメントに参画させていただくことになった。
子どもたちのために、学校のために、自分に何ができるか考えを巡らせているところだった。
この本に書いてあったたくさんのアイデアで特に良いなと思ったのが、
オンライン動画を利用する
担任ガチャがあるからこそ、教室での一斉授業には教えるのが上手な話のおもしろい先生の授業を動画で提供したら良いと思う。そして、生徒がアウトプットする際にこそ、生身の先生がサポートをするのが良いと思う。
授業を5分ずつ短縮する
小学校は45分→40分に、中学/高校は50分→45分にして、週あたりのコマ数を増やして学力アップをねらう。
教員の兼業を認める
本業とはちがう活動を行い豊かな人生を営む大人こそが、次世代を拓く子どもたちを教えるのにふさわしい。
土曜日に学校を活用して子どもの居場所作りをする
教員志望の大学生を集め、生徒の宿題を手伝ってもらう
T企業に勤める保護者に来てもらって、プログラミング教室をやってもらう
炊き出しイベントを行い、地域と子どもの交流を深めれば、いざという災害時の訓練にもなる。
図書室を居場所作りに活用する
OB/OGに寄付を募って図書室に自然科学の本を充実させる。
地域社会の方々と一緒に図書室をもっと明るいデザインに改装して、利用者を10倍にする。
図書室の蔵書のうち不要な本を一気に廃棄する。一括廃棄すれば廃棄台帳に書かなくて済む。価値のある古本はメルカリ等で売って収益を得る。
スペースに余裕ができたら本を面出し(表紙を見せて展示)して、子どもに手に取ってもらえるようにする。
本好きな保護者や地域の方々に放課後の図書室の出入りを自由にして、子どもたちへ読み聞かせをしてもらう。
地元の畳屋さんに協力を仰いで、図書室にたたみに寝転びながらリラックスして漫画を読めるコーナーを作る。
お母さんたちにカーテンやテーブルクロスを端切れを集めて家庭科室で手作りしてもらい、
お父さんたちにDIYで書棚を作ってもらい、
子どもたちに照明や棚をぞうきんで磨いてもらう。
などなど。
保護者や地域の友達やボランティア仲間を巻き込ながら、何かできそうな気がしてきた。今年はコロナ自粛もないし、どんどん動いてみようと思う。
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