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【書評】「発達障害」とされる外国人の子どもたち~日本の学校で置き去りにされる子どもたち

だいぶ時間が経ってしまったけど、
強烈に考えされられた本とセミナーを
記録しておくことにした。


不登校に関するセミナーを申し込んで依頼、
「東京大学・インクルーシブ教育定例研究会」から
たまにセミナーの案内が届く。

日本ではマイノリティな存在の
外国人の子どもたちは幸せなのだろうか?
ふと気になって申し込んでみたのが、
こちらの無料セミナー。

インクルーシブ教育定例研究会(「発達障害」とされる外国人の子どもたち)

外国にルーツを持ち、
日本ではない外国人の親を持ち、
日本語ではない言葉を母国語
している子どもたち。

言葉がちがえば、
親から受け継いだ文化もちがうから、
一般的な日本の子どもとはちがう
「個性」や「習慣」や「考え」
持っている。

彼らは母国語ではない日本語
苦労しながら、日本での公教育を
受けている。

学校の先生たちにとって
扱いづらい存在なのは、
想像に難くない。

小中学校は義務教育だから
一応はすべての子どもが
通うことができるけれど、
高校は?

公立中学校の先生にとって
最重要事項なのが、
生徒の進路指導なわけだけど、

生徒一人一人の進学先を
いかに決めるか。

受け入れる学校側の都合
あるから、難しいだろう。

やはり、
外国出身の子どもたちは
高校進学率が低いそうだ。

そのため、
個性のある外国出身の子どもたちを
「発達障害」とすることで、

障がいのある生徒向けの
「特別支援学校」への進学を進める
ケースが多いのだそうだ。

言葉の壁があるために、
「発達障害」とされ、
「発達障害」とは別の課題や
必要な対応策が見えなくなって
しまっているそうだ。

さらに、支援学校に通うことで、
将来とれる選択肢が少なくなったり
大きな不利益が生じるそうだ。

全然知らなかった。
なんてことが行われているんだ。

発達障害でも障がい者でも
なんでもない子どもが
発達障害とされ、

(発達障害や障がい者が悪いと
言いたいわけでは、決してない)

日本語が不自由なため、
そして文化的背景や生活様式が異なるため、

日本人の子どもなら
容易にパスできることもできずに
苦労している子どもたちが、
この日本にはたくさんいるのだ。

日本人には気づきにくい
不利な条件の中で苦労して、
理不尽な思いをしている子どもたちが、
この日本にはたくさんいるのだ。

そんな子どもたちが向かう先は、

絶望であったり、
心の病自殺であったり、
生きていくための犯罪行為
であったりするそうだ。

日本の教育現場で、
日本の社会で置き去りにされている
外国人の子どもたちに目を向ける機会となった。

私は学生時代にフランスに
1年間留学したことがある。

日本に住む両親からの仕送りで
生活も勉強もできる身分。

日本で苦労している外国人の
子どもの気持ちはわかりようはない。

ただ、マイノリティとして、
異国で過ごした経験は大きい。

小3の時には、埼玉県の住宅街から
宮崎県の山奥に転校したのも
マイノリティとしての経験のひとつだ。

さらに、引っ越した家は、
父が住職を務めるお寺。

「お寺の子はいい子でなくてはいけない」
とされて育った。

お寺の子どもとして育ったのも、
マイノリティ経験だったのだと思う。

話が脱線してしまったけれど、
私の息子(中2、13歳、不登校)も
ギフテッドの傾向のあるマイノリティ。

自分の経験や息子のこともあって、

私はマイノリティの人が
苦しんでいるのを知ると、
自分ごとに置き換えてしまう。

日本で取り残されている外国人の子どもの
ことを考えると、心が痛む。

一人の力は微力でも、
知って、伝えることから、
すべては始まる
と思う。

まずは、
一人でも多くの人に知ってほしいと思う。



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