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共感経営のヒント:ユニクロ柳井正さんに学ぶアフターコロナの経営

みなさまこんにちは。和田康彦です。

ずいぶん前になりますが、4月29日付の日本経済新聞にユニクロの全面広告が掲載されていました。

「今日も変わらず、必要な服をお届けでしるように」というタイトルのもと、現在のユニクロの営業状況や感染防止への取り組み、医療現場へのマスクの寄付といった内容を伝えています。ユニクロの企業姿勢が伝わってくる好感の持てる広告でした。

ユニクロ

一方、ファッション業界誌WWDのウエブ版4月30日号では、ファーストリテイリングの会長兼社長の柳井正さんのロングインタビューが掲載されていました。

今や世界第2位のアパレル企業にまで成長させた柳井氏の一言一言にはこれからのアパレル産業のみならず日本の産業界が目指すべきヒントが凝縮されています。

今日はインタビュー記事の中から、ぜひみなさんと共有しておきたいメッセージを引用させていただきます。

☛すごい危機感があるが、世界が変わる転換期だと考えたらいい

グローバル化とデジタル化は止めようがない

☛せっかくグローバル化やデジタル化などで世界中の人々や企業にチャンスがあるのに、萎縮してチャンスを逸しないでほしい。

世界各国はもっと協力しないといけない。

☛事業活動自体がサステナビリティに通じ、売るものは本当にお客さまの生活を豊かにして社会の持続的発展に寄与するようでないと駄目だ。

☛マイケル・ポーター(Michael Porter)が言うCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)と同様に、事業の目的自体が社会にとってプラスになり、事業活動そのもので価値を生み、その価値に賛同して人が集まって企業をつくるというのがこれから一番成長していく企業だと思う。

☛この業界の一番の問題は、商品が供給過剰で、売れるか売れないかにかかわらず作っていること。それをやめないといけない。無駄だ。

☛単に奇をてらった商品や、象徴として発表するだけで本当は着られないような服は全部やめないといけない

☛お客さまが欲しいものを作るということ。着ることや選ぶことにおいてお客さまに楽しいなと感じていただくこと。それがないといけないと思う。

お客さまの文句や不平不満を一番の問題として捉え、日常の商売を通じて応えていくところから出発する。

声を全部集めて、それを毎日、経営者が自分で見て、自分でやることを決めて実行する。チームが必要だったらそこでチームを作る。どういう商品が本当に求められているのか、より満足してもらうためにどういった商品を作るべきなのか、自分たちの頭で考えて実行しなきゃいけない。

☛今、デジタルとかコンピューター、人工知能(AI)、クラウド、ビッグデータなどさまざまな技術が進歩し、データを集めることは容易になったが、本人にそれをする気がなかったら、そんな技術を使っても駄目なのよ。

データの分析よりも前にお客さまの反応をきちんと見ないと。商品がいいか悪いかとか。データだけを分析してもそれは微差だ。「デジタル化したら全部解決する」みたいな勘違いをしている人が多いが、デジタルをやっても何にも解決しないよ。それは手段だ。

「服屋は服屋に返れ」と言っている。本当に理想的な服屋とはどういう服屋なのか。それを追求して、デジタル技術を使ってお客さまの要望をより簡単に捉えて、お応えしていくことが大事。要望を捉えてそれを分析するだけでは意味がない。

☛重要なのは、自ら問いを持つことだ。「コンピューターは質問があることにしか答えない」、そして、「質問は自分からしなければいけない」。仕事も一緒ね。何が問題かを自分で考えて、それが問題や課題だったら自分で解決する。課題を解決することが仕事だ。

売れる要素が何かってことを、自分の頭を使って考えたほうがいい。みんなデジタルに頼り過ぎ。デジタルは何も解決してくれない。当たり前だよ、そんなこと。

☛僕はあらゆることは計画と準備だと思っている。成功するかしないかは、計画と準備があるかないか。失敗した人のほとんどは、計画とか準備なしに、行けると思って行ったら崖からポンっと落ちたっていう。

企業、あるいはブランドに対してロイヤルティーがないと駄目。そのためにはいいブランドじゃないといけないよね。だから、いいブランド、いい企業にいい人が集まり、いい成果が出て、いい循環を生むことになるんじゃないか。悪いのはその反対になること。古今東西、変わらぬ鉄則だ。

☛経営者は会社に対してどのような成果を出したかで評価すべき。それと、チームが作れる人であること。各リーダーがリーダーシップを発揮することが大切だ。だから、スターは必要ないよね。

服は主観的なものと客観的なものがあって、生活必需品なんだけど嗜好品という、非常に難しいものだ。

☛「H&M」も「ZARA」も一気に成長した。それは何に起因したのか、現在なら何なのか、独自のやり方を考えないといけない。僕らはそれを、その国だけじゃなしに世界中でやろうとしている。そのためには、グローバルで通用することと、デジタルの技術、それをやり遂げる人やリーダーの信念と情熱と実行力がカギを握る。

いかがでしたか。含蓄のある一言一言をあなたの会社の経営にも取り入れて、新しい時代を生き抜いていきましょう。


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