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『移民の世界史』の感想

『移民の世界史』は、オックスフォード大学名誉教授のロビン・コーエンさんが書かれた本です。翻訳をしてくださったのは、小巻靖子さん。

縦22㎝×横18.5㎝というちょっと正方形っぽいサイズ。


所期の人類移動から近代・現代の人々の移動を網羅しています。
全部で44章ありますが、1章ごとのページ数は、約3ページなので大変読みやすいボリュームです。

生々しい写真や図は、想像力を刺激してくれ、さまざまな問題について現実のこととして理解するのに役立ちます。

写真を見てから、文章を読むとさらに移民や難民の方の苦悩や大変さをリアリティーが増す気がします。

また、地図も分かりやすく、どこからどこへ移動したのかすぐに分かります。

著者が外国の方なので、日本のことはほとんどありませんでした。

また、1章3ページほどなので、興味を持った事柄に対して深く知りたいと思ってもすぐ終わってしまいます。

こちらの本は、自分の興味のあることを発見するために使うとよさそうです。

私がとくに面白いと思ったのは、移動するのは人だけでなくて、楽器もともに移動していくということ。

移動した先と融合することで、新しい音楽が生み出されます。

バンジョーという楽器のくだりでは、音楽を奏でることで自尊心と文化をある程度残すことができたとあります。

移民における音楽の役割は、私が思う以上に重要なのかもしれません。

興味のあることを見つけたら、別の本でさらに深堀りすれば良いので、移民という事柄についてどのような本を読めばいいのか分からなくなった時、また『移民の世界史』に戻ってきて、興味を持つことを探すことにします。

本と本の橋渡しをするような本だと思いました。


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