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つながる想い # あの記事の後日談

暑い日々が続く。
今年の夏は今よりさらに暑くなるというのだから、眩い太陽にさえげんなりしてしまうのも仕方ない。

noteではつい亡くなった愛犬の記事が多くなってしまうが、今はそれも自然なことなのかもしれない。
僕にとってnoteは天国の愛犬との架け橋のような存在にもなっているのである。

以前、こんな記事を載せたことがある。
愛犬が亡くなった後の未使用のオムツ等の寄付先を探し、地元のよく通っていたペットショップで引き取ってもらえたというもの。
今日はその後日談を書きたい。


もうすぐ命日から半年を迎える先日、あのペットショップに行きたくなり、約半年ぶりに赴いた。
僕が店内に入ると店長が驚いたような表情を見せた後、笑顔で、
「その後いかがですか ? 少し落ち着きましたか ? 」
と尋ねてくれた。

店長が僕や亡くなった愛犬のことを今なお覚えていてくれたことに心に熱いものが込み上がってくる。
「あの後、寄付したオムツ等はどうなりましたか ? 」と聞くと思いもよらない答えが返ってきた。
店長の表情が笑顔で緩んでいる。

「あの後、実は地元の市議会議員の方がうちの店でペット関連の商品を買い込み、◯◯さんのオムツ等と一緒に今年の能登半島地震の被災者の下へ支援物資として届けてくださったんですよ」

「被災地には今なお住むところや一緒に暮らすペットに必要なものを満足に入手することが困難な方々が多くおられ、支援物資もとても喜んでもらえたようですよ」
店長はそう言って市議会議員のInstagramの記事を見せてくれた。

そこには被災者の笑顔とともに、僕が寄付したオムツ等の写真がそのまま載せられていた。
何と ! こんな形で今は亡き愛犬の想いが困っている人の下へ届くとは···。

偶然とは思えなかった。
人の気持ちが分かる優しい子だったから、本当に必要なところに遺品が届くようにがんばってくれたんだろうなと思った。
ここちゃんは今もどこかで生きているんだろうな。
そんなことを思わせてくれた。

思えば愛犬が天国へ旅立ったのは今と真逆の体の芯から凍てつくような寒い真冬だった。季節が僕たち2人を置き去りにしていくような寂しさを毎日感じながらも、こうして想いがつながっていくことに心がじんわりと温かくなる。

毎朝毎晩、欠かさず愛犬の遺影の飾られた仏壇に向かって話しかけるかけがえのない時間。
遺影の遥か向こうで笑顔で聞いていてくれてたらいいな。見守ってくれてたらいいな。

今、仕事や私生活は今まで以上に充実している。
進むべき道に愛犬が導いてくれている、そんな気がしてならない。互いに伝わる想い。
そんな優しさに今、僕は支えられている。

今年の夏はここちゃんとの思い出の写真を持って夏祭りにでも行こうか。
亡くなってもなお、互いの想いが生き続けている限り、新しい思い出を作ることだってきっとできる。

「想いはつながる、通じ合う」
それが本当なのだということをこれからもこの子と一緒に感じていきたい。虹の橋で待ってくれているここちゃんを抱きしめに行くその日まで。

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