別の人の彼女になったよ
これは「wacci」というアーティストが作詞された「別の人の彼女になったよ」という曲の歌詞の1番です。
先日ふと録画保存していた「カウントダウンTVライブ!ライブ!2018クリスマスSP」を観た時に、アーティストの「Uru」さんがカバーでしっとりと歌い上げていたのを見てこの曲を知りました。
新しい彼氏ができた元彼女が元彼氏に心の中で語りかけるように、あるいは手紙を書くように自身のありのままの気持ちを表現したものです。
尊敬できる大人な彼氏。
そんな今の彼を大切に思うからこそ、元の彼氏に「もう会えない、ごめんね」と言う。
そして2番の歌詞。
2番では元の彼氏と今の彼氏のあまりに大きなギャップに戸惑い、少し背伸びをして言いたいことも言えないような窮屈さが描かれているように見えます。
それでもどうしても元の彼氏にも会えない。
できることはただ幸せを願うことだけ。
そんな行き場のない感情の中で、心の中で泣いている彼女の姿が浮かび上がっています。
この曲と歌詞を聞いた時、僕はこの強烈に胸に響く気持ちをどう表現したらよいのだろうと感じました。
切ない気持ち ?
寂しい気持ち ?
悲しい気持ち ?
あるいはもっと別の···
例えば、亡くなった祖母が夢に出てきた時、僕は「切ない」と感じる。
なくなったはずのものがそこにあるような感覚。
また、お世話になった学生時代の先生の訃報を受けて、当時通っていた学校の門に立った瞬間、僕は「寂しさ」に涙をこらえることができないと思う。
元々なかったものがやっぱりないものだと分かった瞬間の痛み。
あるいは、毎日、一緒に暮らしてきた愛犬が万が一、亡くなった時、僕は「悲しい」気持ちで胸が一杯になるだろう。
元々そこにあったものがなくなった時の喪失感。
この曲がなぜここまで心に響くのかというと、おそらくこの3つの感情が全て詰まっているからだと思います。
1番では「悲しみ」が表現されています。
元々そこにあったものがなくなった時の喪失感。
2番は「寂しさ」が表現されているように感じます。
元々なかったものがやっぱりないものだと分かった瞬間の痛み。
そして最後の部分。
「切なさ」を表現しているのだと思います。
なくなったはずのものがそこにあるような感覚。
特に一番最後の一文からは、「悲しみ」「寂しさ」「切なさ」のいずれでもない複雑な気持ちが描かれているように感じました。
何かの曲の歌詞を聞いて人に紹介したくなるほどの感動に出会ったのは本当に久しぶりのことでした。
この先、こうした感動にいくつ出会えるのでしょうか。そう考えた時、僕の心を満たしたのは、悲しみでも寂しさでも切なさでもなく、「喜び」でした。