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半笑いのポッキーゲーム 【 # 毎週ショートショートnote 】

大学2年の僕の下宿先のアパートの1室は、サークル仲間のたまり場になっていた。

今日も夜通し騒いでいると、酒が足りなくなったのでちょうどアパートの1階にあるコンビニに買いに行った。

ついでにお菓子のポッキーもカゴに入れてレジへ行くと、

「お、◯◯君、今日はポッキーゲームでもするのかい」「僕も参加していいかな ? 」なんてね(笑)

「いいっすよ〜、店長にはいつも世話になってますし」

酔った勢いの冗談のつもりが本当に50才のおっさん店長が来た。

「え、誰 ? 」女の子が不審な目で聞く。
「あ、1階のコンビニの店長。ど、どうしても来たいっていうからさ···」
女性陣の引き方が尋常じゃない。

「ま、まぁいいじゃん、お酒の席だしさ。それよりこれ買ってきたよ ! 」僕は必死に流れを変える。

「あ、ポッキーゲーム ! いいじゃん、みんなでやろうよ ! 」酔いに酔った女の子の1人が流れを変えてくれた。

ひとしきりポッキーゲームで盛り上がった後、
「じゃあ最後は2番と6番ね」
場が凍りついた。6番は例の髭面テカテカ顔デカ禿げちらしオヤジだ。

2番の女の子は勇敢だった。
「私やるわ、だってそういうゲームでしょ ! 」

半笑いのオヤジの顔面がどんどん唇に近づいてくる。と、すんでのところでオヤジはポッキーから口を離した。

「こう見えて僕はジェントルマンなんでね」

僕は突っ込んだ。「ちっとも決まっとらーん !! 」

女の子は失神していた。



企画に参加させていただきました。
今回のお題は難しかった〜>⁠.⁠<




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