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マクロン大統領にアイデンティティ・クライシスを突き付けられる

とにかく書くこと、表現することを習慣にしたいと思う。私はクリエイティブの塊のような仕事を今春辞めた。その仕事はどちらかと言うと体を使って表現するもので、言葉とは関わりが薄いが、表現活動という面では同じで、以来、徐々に『書きたい』という欲が深まっていった。

それなのに自分がイメージしているものが上手く言葉に出来ない、ただのブログなのに大作に仕上げたいみたいな妙なこだわりみたいのがあってなかなか書けないでいた。

毎日10分でもいい、書いてみたい、言葉にしてみたいという気持ちを大事に、自分のために表現していきたいと思う。

今朝はアパートの隣の改修工事の騒音で起こされるという何とも不快な朝だったけど、気持ちを切り替えてパソコンを開いた。

渦中のあっちゃんも偉人は朝にクリエイティブな活動をしていたと言っていたしね。

さて、最近読み始めた本に気になることが書いてあった。

本を紹介する本を読むという、なんだか不思議な気もするけど、今読んでいるのはこの本。

著者の出口さんが何故古典を読むのかというのが、5冊の古典の紹介と共に記されている。

確かAmazonのレビューにもあったんだけど、メインで紹介されてる本だけじゃなくて、ちらっと紹介される本たちも魅力的だ。
おかげでイギリス元首相ウィンストン・チャーチルの『第二次世界大戦』という上中下巻ある大作に手を出してしまいそうになっている。(早速Amazon Kindleでサンプル版をダウンロードしたところ読了に33時間以上かかるとのこと。ひぇー)

私が気になったのはフランス大統領の手記『革命 仏大統領マクロンの思想と政策』に書かれているという一説。

彼はまず「フランスの文化を守りたい」と言うのです。(中略)そのあとに、フランス語を母語とする人間がフランスの歴史と文化を引き継いでいくのだと続けます。フランス語を母語として話す人が文化の担い手だと定義するのです。つまり、国籍や皮膚の色は関係なくフランス語を母語とする人はすべてフランス人であると。(中略)文化は言葉だということ。あとからフランス語を覚えた人はフランス人とは言えない。日本人が大学でフランス語を勉強しても、思考するのは日本語ですから、フランス文化の担い手にはならないということです。

『ぼくは古典を読み続ける~珠玉の5冊を堪能する~』

私が海外に出たのは19歳の時。今30歳だからもう十年以上前になる。現在はアメリカに住み、毎日英語を使って生活しているが、英語を話す時は英語で考えていることが多い。

このマクロンの本によると、私は本当どっちつかずという気になってくる。英語が母国語ではないけど、英語で考えることもある。私は決してアメリカ人になりたいと思っている訳ではないけど、もう生粋の日本人とは言えないのかもしれない。

私が選んだ道なんだけど、ちょっとだけ大袈裟に言ってしまうとアイデンティティ・クライシス、私は誰?私は何?みたいな気分になってしまうことがある。海外に出たからこそ、「I'm Japanese」がアイデンティティになるのに、「Am I really Japanese?」が付き纏う。

私はアメリカ人と結婚したから、私たちが子どもを授かると当然子どもは半分アメリカ人、半分日本人となる。母になる私もアイデンティティ・クライシスを抱えているのに、子どもたちはどうなるのかと心配になる。

案ずるより産むが易し、捕らぬ狸の皮算用、今心配したって仕方がないが、子どもが生まれて同じように不安になったら、しっかりその気持ちに寄り添っていこうと思う。

6月12日 月曜日

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