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「派遣社員として働くメリット」って本当かい?

私は25歳まで深夜のコンビニでアルバイトをして生計をたて、27歳で大手広告代理店の派遣社員になりました。その後、運よく相性の良い上司と巡り合い、その会社で正社員として登用してもらいました。今回は派遣社員として働いた経験を基に、なぜ派遣社員という雇用形態のメリットをテーマに書きたいと思います。

「派遣社員として働くメリット」に対する疑問

私は派遣社員、正社員の両方で働いた経験があります。その立場から、ライフサイクルのなかで派遣社員として働くほうが望ましい状況があるとは思いつつ、基本的には派遣社員という雇用形態はデメリットが多いと考えています。

世の中で「派遣社員として働くメリット」として挙げられることも、見方や状況によるなと思うので、まずそれについて書きたいと思います。

派遣社員として働くメリットは以下のサイトを参考にしてます。

1.時給が高い

接客業のアルバイトの時給は平均で1,000円程度です。一方、株式会社リクルートの調査研究機関であるジョブズリサーチセンターが、2022年2月度の派遣社員募集時の平均時給をまとめた調査結果によると、関東・東海・関西の三大都市圏全体の平均時給は1,680円でした。

確かにアルバイトと比較すると、派遣社員として働くほうが約1.5倍、効率は良いことになります。

私の場合も、深夜のコンビニバイト時代は(夜勤で)時給:1230円だったのが、派遣社員になったら1社目:1,350円、2社目:1,530円とアップしたため、幾分生活が楽になったことを覚えてます。

ですが、派遣社員はその労働環境から、どうしても自分の時給を”正社員と”比較してしまいます。それもそのはず。多くの場合、同じ職場にアルバイトはいません。いるのは正社員なのです。ざっくり計算で年収750万円の場合、時給は4,000円。圧倒的な差があります。

また、派遣社員になるといっても、人それぞれ“経緯”があります。私がこれまで出会った中で多かったのは、元々正社員として働いており、結婚・出産を機に派遣社員に切り替えた女性です。こうした方々は正社員経験があるので、派遣社員としての給料を高いとは感じないでしょう。


2.簡単な(単純な)仕事が多い

派遣社員の方々には、比較的簡単な仕事が割り振られることになります。これは肉体労働的な仕事でも、オフィスワークでも共通することだと思います。オフィスワークでは、複雑な作業やコミュニケーションが求められるタスクは正社員が担当し、そうでないタスクは派遣社員が担当するということが多いです。
これは会社組織のなかで避けられない役割分担だと思います。正社員は難しい仕事をこなすことを期待されて(できるかは別にして)高い給料をもらっているので、逆に会社としてはそうでないと困るでしょう。

これをメリットと感じるか否かは人に由りけりだと思います。例えば、「子育てをしながら1日4h程度働き、その後のキャリアステップなどは考えてない」という状況であれば、振られる仕事が簡単なほうが望ましいかもしれません。一方で、当面は派遣社員として働き、ゆくゆくは正社員としてバリバリ働きたいという人にとっては、「成長機会の損失」と解釈することもできます。

https://note.com/happy_quince292/n/nc5ed702b0fa0

私の場合も、当時は後者のパターンだったので、「もっと難しいことを達成して褒められたい!」と思っていました。すでに27歳くらいだったので、同世代はボチボチ責任あるポジションで仕事をし始めています。内心焦りを感じていました。


3.責任が重くない

「2 .簡単な(単純な)仕事が多い」結果として、派遣社員が担当するタスクの重要性は相対的に低くなります。例えば、正社員が最終的にチェックしたり、手直しすることを前提として作業を依頼されるケースがこれに該当します。
これはこれで、人によっては「やり甲斐がない」と感じてしまうでしょう。

ですが、問題はもう一つあります。

それは、この「責任が重くない」というのが、あくまで”会社全体から見れば”という前提付きであることです。現場担当者目線では重要な仕事であり、故に「手が抜けない」ことも多いのです。しかも、人事部が雇用している正社員と違い、派遣社員は現場担当者1名、2名が手綱を握っている場合もあります。ここで社員と揉めたり、作業ミスが頻発すると、イチ担当者の判断で簡単にクビになる(契約延長なし)こともあります。仮にそこまでいかなくとも、派遣会社にクレームが入り、次の仕事の紹介が少なくなることもあるのです。

当然ではありますが、いくら責任が重くないといっても、時給に見合うくらいの仕事はしないと、やはりうまくいかないわけです。

4.自由な働き方ができる

確かに派遣社員の求人をみると、「週3日からOK!」とか「1日4hから歓迎!」など、正社員の求人と比較すれば、柔軟な働き方ができる仕事が掲載されています。でも、これを「自由な働き方ができる」からメリットだとするのは、ムリがあるように思います。

むしろ、子育てなどで働き方に制限がある場合には「派遣社員として働くことしかできない」と捉えるほうが正しいように思います。

私は2回転職しているので、正社員の求人もたくさん見ています。ここ数年は女性の活躍を推進するために、正社員雇用でも柔軟な働き方ができる仕事が増えてきました。
個人的な経験則ですが、元々正社員として働いていて、子育てで派遣社員として働いている人は、みなさん優秀です。今後も、柔軟な人事制度を設ける企業が増えてほしいと思います。

次回は、派遣社員として働くデメリットを書きたいと思います。
続きは後日。


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