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25歳深夜コンビニバイトが28歳でプライム上場企業正社員になったワケ!Part2

前回に引き続き、正社員になった経緯について書きたいと思います。

④「派遣社員」になることを目標に、英語の勉強を!

ストレートに正社員になる道を回避(あきらめ)し、私の当面の目標は「派遣社員として働くこと」になりました。最初は派遣社員というものがどういった雇用形態なのか、まったくわかっていませんでしたが、調べてみると、アルバイトと比較しても時給は高いし、事務作業なので体力的にも楽に見える。そんな動機だったと思います。
 
社会人の方々からすると、「目標にするほどのことか?」「すぐに働き始めればいいじゃないか」と感じるでしょう。(そしてそれは正しいのですが・・・)当時の私は事務仕事をしたことがないので、どうせ手ぶらでは面接に受かりはしないと思ってました。そこで、手土産として何か資格を取得することを目指したのです。
勉強したのはTOEIC、すなわち英語でした。派遣会社の求人サイトを検索すると、「応募資格」欄で最も多いのが「TOEIC600点以上」や「英語の読み書きができる方」など、英語に関する要件でした。TOEICで高得点を得て、実務経験を積めば、職にありつけ、喰いっぱぐれることはないと思ったのです。

コンビニでの仕事に慣れてからは、勉強と両立する生活になりました。昼14時に起床し、食事。15時~18時までが勉強時間。その後食事と仮眠をとり21時~翌6時までがコンビニ勤務、そんな毎日が続きました。すると、半年後にはTOEIC700点を超え、その半年後には800点を超えました。

⑤念願の?派遣社員へ。そして簿記の勉強へ。

実はこの間にもコンビニバイトを実質クビになったり、いろいろあったのですが(笑)、深夜に働き始めて2年ほど経過し、とうとう派遣社員として働き始めることになりました。しかし、TOEICの勉強をしたにも関わらず、最初に就業したのは英語を使う仕事ではありませんでした。これは派遣会社に行って再認識したのですが、英語を使う仕事の多くは「事務経験」が求められます。私はTOEIC800点こそ持っていましたが、事務経験がありません。まずは事務経験を積まないと、英文事務と呼ばれる仕事には就けないのです。しぶしぶ、未経験でも働ける事務の仕事(実はこれもレア案件・・・)を紹介してもらい、働き始めました。そこでの仕事は、名目上は事務作業なのですが、機材の在庫管理業務が含まれることから、半分くらいは肉体労働でした。
 
「これじゃない・・・」
 
勤務地こそ丸の内でしたが、仕事内容はほぼ単純作業。華々しい想像からかけ離れた仕事に、やはりフラストレーションがたまりました。

「まだまだ、やってやる、、!」
 
一度勉強する習慣がついた身体。ここまで来たらもうひとつふたつ資格を持っていてもいいだろうと考えました。そこで勉強したのが「簿記」でした。これも派遣の求人サイトで「応募資格」に頻繁に掲載されている要件です。

⑥日商簿記2級取得!そして次の会社へ

当時は若く、生計を立てるために必死だったこともあり、簿記の勉強は比較的スムーズに進みました。3か月で3級に合格。また3か月後に2級を合格することができたのです。余談ですが、日商簿記2級は数年前にテスト範囲が拡大し、各段に難しくなったと聞きます。当時は3級と2級の難易度はそこまで差がなかったので、楽な時代だったと言えます。
実務経験はないものの、27歳でTOEIC800と簿記2級。ある程度自信もついてきたこともあり、1年で最初の派遣先を辞め、英語や簿記を活かせる、次の仕事を探しました。スキルを活かせる仕事というのはそうゴロゴロありません。仕事探しはかなり難航しましたが、3か月後にようやくみつかりました。

⑦広告代理店の経理部門で働く

次に就業したのは、大手広告代理店の経理部門でした。連結会計や会計システムの運用を行う部門で、英語と経理、両方のスキルを活かせます。就業形態はもちろん派遣社員。時給は1,530円だったことを今でもはっきり覚えていています。当時、派遣社員に交通費は支給されないのが普通だったので、手取りだと16万円ほどでした。
そこでの仕事は何もかもが新鮮でした。あくまで派遣社員なので、自分で仕事をリードするわけではありませんが、時に中国やインドネシアの社員と会議をしたり、会計システムのUIの設定変更をしたり。今から振りかえってみても、派遣社員にしては幅広く仕事をさせてもらっていたと思います。私自身も仕事にやりがいを感じ、この時に初めて、WindowsのショートカットキーやExcelの関数など、資格以外の勉強をしました。(実は簿記1級の勉強と並行でした)

⑧飲み会を断ったら正社員になれた不思議

私が所属していた経理部門のリーダーは非常に優秀で、社内でも一目置かれる人でした。既婚でお子さんもいる女性で、朝4時から持ち帰った会社のPCを開くような、バリバリのキャリアウーマン(古い言葉)。ひよこが最初に目にしたものを追いかけるように、三つ子の魂百までというように、当時その人に教えてもらったことは、今の私の仕事に対する考えに多大な影響を与えています。数年後、その人は転職で当広告代理店を辞めるのですが、私はデスクで2時間以上泣き、周囲から白い目で見られたほどでした。
 
私を正社員に推薦してくれたのもその人でした。きっかけは「飲み会」です。ある時、誰だかの歓迎会で4,000円程度の会費を集めるという話になりました。既述したとおり、当時の私の手取りは16万円程度。生活費を差し引くと、残りはほぼゼロという人間にとって、これは手痛い出費です。歓迎会まで何日かは払うつもりでいましたが、段々とイヤになってきて、ある時そのリーダーに「お金が払えないので、歓迎会は参加しません。」と言いました。リーダーは悲しそうに「そうですか・・・」なんて反応していたと思います。

すると、翌週でした。そのリーダーはさらに上役と一緒に私を会議室に招きました。
 
「正社員になる気ある?」
 
え・・・
 
まさに青天の霹靂。後々調べてわかったこと(そして当たり前のこと)ですが、大手広告代理店に入社しようと思えば、新卒であれば5次面接くらいやるものです。正社員になれるなんて1㎚も考えていなかったので、とんでもなく嬉しかった記憶があります。
 
そこから(推薦があるので形式的なもののようでしたが)人事面接や適性テストなどを経て、本当に正社員になることができました。最初の給料は年収で410万円。28歳で新入社員レベルの待遇でしたが、まったく不満はありませんでした。

⑨なぜ正社員になれたか

なぜ25歳まで深夜のコンビニバイトをしていた自分が28歳で正社員になれたか。ここまで読んでいただいた方はお気づきだと思います。それはリーダーとの出会い、そして正社員登用を許した会社の環境にありました。派遣社員として働き始めた先に、そのリーダーがいなかったら。会社がシビアで「未経験の人間なんて正社員にするか!」という環境だったら、絶対に実現しなかったことです。そうした意味で私はものすごーく運が良かったと言えます。
 
今、正社員として働くことを希望しながら、派遣社員として働いている方もいらっしゃると思います。私のケースは必ずしも一般化できるものではありませんが、「そんなこともあるんだな」という程度に、ご参考にしていたけるとありがたいです。

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