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化学徒のための物理入門

はじめに

 こんにちは。自己紹介をします。僕は理科大の応用化学科のB3で物理化学を専攻しています。以上です。
 このnoteの基本は物理を勉強するスタンスと僕が物理の勉強をやってるうちに使えたな、役だったなという書籍と勉強法の紹介です。高校物理から大学物理のはじめの初歩的なところを扱います。

物理が「できる」ってどういうこと?

 物理ができるとはどうい事でしょうか?式を覚えていることでしょうか?、それとも物理学者の名前を言えることでしょうか?このnoteでは物理ができるとは、「自然現象を数式で説明できること」ということにします。これを達成するための方法をあれこれ考えてきましょう。
 分野においては、化学徒であれば、力学、熱力学、前期量子論ができていれば最初の関門はクリアといっていいでしょう。これらを念頭に以下説明していきます。

物理の難しさ

 では物理の何が難しいのでしょうか。先ほど述べた物理ができるということすなわち「自然現象を数式で説明できること」に基づいて考えてみましょう。
 ここで立ちはだかる難しさは二つ、「自然現象」の難しさと「数式」の難しさの二つです。そしてこれらは厄介のことに不可分な関係になります。自然現象が理解できると数式が理解できるようになり、数式が理解できるようになることで自然現象がより理解できるようになります。一度漕ぎ出した自転車の車輪がぐるぐると回り続けるように、この二つの循環によって物理は上達していきます。そして残念なことにどちらかかが欠けると物理の上達はうまくいかなくなってしまいます

自然現象を理解するための本

 では自然現象を理解するための本をいくつか紹介します。まず簡単な本から紹介して、その後多少厳密な本を紹介します。
 まず物理が苦手な人が最初に触ってほしい本は
学び直し高校物理 挫折者のための超入門  (田口善弘)
です。

 これは数式少な目ではありますが、高校物理のコアな部分を扱っています。通学時や休日で読むことができる難易度と分量で面白と思います。
 また数式で自然現象を扱うイメージがわきにくい場合は自然現象が視覚に訴えることが重要だと思います。そのことから以下の書籍もおすすめです。

 これによって物理で考えるべき自然現象の最低限の知識とイメージがつくと思います。

数学を理解するための本

 数学を理解するにあたっては、簡単な数学を道具のように扱うことが求められます。ただ計算ができればいいというのは物理では失敗につながります。そのために数学の運用の様子、数式のイメージを見たい。そうなると必要になってくるのが、まず高校の数学の教科書です。Ⅰ、Ⅱ、B、C、Ⅲで解けない問題がないようにしましょう。理科の勉強は基本積み重ねなので、わからなくなったらおとなしく戻りましょう。
 これに加えて有効なのが 数学ガールシリーズ (結城浩)です。簡単な導入から数式を使いこなすまでの頭の使い方、必要な水準がコンパクトにまとまっている稀有な本です。必要に応じて読んでおいて損はないと思います。Ⅰ、Ⅱ、B、C、Ⅲの範囲の単元に加えて統計、行列も読んでおくといいかなと思います。
 特に数学ガールの物理ノートの力学の本では数式の運用についての説明が素晴らしいので是非読んでください。

 また物理における初歩的な運用を見たいのであれば、道具としての高校数学 (吉田弘幸)もいいと思います。

 ここら辺の書籍を必要に応じて読めば数式の面では困らないと思います。

物理の循環を理解するための本

 先ほど述べたように物理は自然現象の理解と、数式の理解の循環によって上達していきます。この循環の中にいることで物理という学問に近づくことができます。そのためには実際に物理学の本を読むことで実際に手を動かし納得することが求められます。これらにうってつけの書籍及び、物理学そのものを説明した書籍を何冊か紹介します。
 数式を厳密に扱い自然現象を説明している本として、はじめて学ぶ物理学学問としての高校物理 (吉田弘幸)が挙げられます。化学徒の場合は力学熱力学を手を動かして理論を追跡するといいと思います。

特に力学の学習は物理学という学問のノリを理解するうえで重要な役割を担うと思います。もし理解に不安があるなら高校物理、物理基礎の教科書を参照するのもいいと思います。
 これに加えて力学の理解は重要なので物理学レクチャーコース力学 (山本貴博)もやっておくといいと思います。

 次に物理の読み物の紹介です。物理学とは何だろうか (朝永振一郎)は部物理学史を力学から熱力学、統計力学までを上下巻にわたって扱います。物理学が確立されていく過程で、何が重要とされたのかを理解しておくことは物理の上達に役立つはずです。物理学のノリを数式少な目で理解できます。この点では学び直し高校物理と重複しますが、あれよりかは科学史よりの内容になっています。


 もっと大雑把なノリや日常生活の運用の説明は、物理学者のすごい思考法 (橋本幸士)という本で学ぶことができます。著者の専門は超弦論と化学からはかなり離れますがおススメです。エッセイ形式でかなり気楽に読めます。くすくすと笑える場面も多いです。

 また物理学とほかの学問との関連に注目すると、科学史年表 (小山慶太)が面白いです。熱力学が確立には、ほかの分野におけるエネルギーの理解が不可欠でした。ここら辺の様子が分かるといいなと思います。

 最後の読みものの紹介としては前期量子論を扱った原子・原子核・原子力 (山本義隆)です。これ一冊と高校教科書があれば困ることはないと思います。

勉強法とおわりに

 いかがでしたか。以上が僕が物理を理解するときに役に立った書籍でした。勉強法としては、書籍を読んでなぜそうなるのか実際に何も見ないで説明してみる、自力で書かれている数式を計算をしてみて見直しをしてみるというものをやっていました。かなりシンプルで地道ですがそれ以外有効打はないと思っています。
 以上が書籍と勉強法の紹介でした。時間が経てば、物理化学の勉強法、役に立った書籍についても説明した記事を作ってみようと思います。

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