[理想の死亡記事]
なおみちゃま、亡くなる。
先日、かの無名な、なんてことない女性が亡くなった。名前はなおみさん、都内に住む65才。40代で再婚、子供2人を産み、孫は3人いる。仲睦まじい夫婦で最愛の夫が見守るなか息を引き取った。最期の言葉は『あなた、愛してる』だった。夫◯◯さんは言う。『私の妻は世界でいちばんの才色兼備で、私と家族をとても愛していました』
遺言によると、墓碑はつくらず、身体は家族に食べられるところは食べて、使えるところは使ってもらい、残りは持ちやすくして夫が身につけてください、とのこと。死んでも傍らにいたいからだそうだ。締めくくりには『あなたは自由、存分に幸せでいてください』と夫へのメッセージが書かれていた。
最期の最期まで、愛に生きた女性。彼女の遺志は、今もなお所縁ある人々の心に宿っている。何より印象深かったのは、夫はじめ家族全員が泣いて喜んでいたことだ。理由は『彼女の夢が叶った』からだと言う。
生前から彼女は言っていたそうだ。『わたしが死ぬ時は夢が叶った時よ、だから喜んでくれると嬉しい、幸せでいてね』と。
『今頃はあの世で彼女の親を踏みつけて誇らしげにしていることでしょう』と夫◯◯さん。
この記事を読んで、
あなたの心には何か残っただろうか?
著:
🌷親愛なる友であり、なんてことのない記者
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