【詩】薄明

軽薄に、ずっとわらっていたかったんだ、きみのことも、その他のひとたちのことも、みんなみんな。
なのに、鏡に映る自分の顔を想像しては、勝手に苦しくなるような、そんな小さな心象だった、自分で浮かべる表情に自身で嫌悪してしまうような、そんな下らない心象だった、けれど、それでも、何でもないようなありきたりな風景でさえ、それを世紀末と願っていいのなら、僕は、夕暮れをただ眺めているだけの鉄塔になるよ。夕焼けが少しずつ霞んでいって、地球が終わるのは今日じゃないんだなと思いながら、僕の本物は、本当は誰なのか、とそんなことも分からずただ立ち尽くしていた。もう、進めばいい、僕だけがいない世界で、ただ幸せに暮らしていればいい、誰かも分からない他人たち。僕は、誰にも投影されないまま、ただ軽薄に笑っていたい。

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