【詩】呪詛

認めたくない、認めたくないけれど、ぼくは他の誰かが幸せになるために生まれてきたから、そのことは一生ぼくにのしかかる呪いで、それで、ぼくは知っているのだ。ぼくたちはその呪いがどこまでも繋がっていくことによって何世紀も生き延びていくのだと。
この世界で生を持っている限り、自分のためだけに生きているなんて有り得ないから。そう、ぼくたちは必ず誰かが投げた鎖につながれているから、ぼくはぼくに鎖を投げてきた誰かに絶えず死ねと言う。
死ねと言っているあいだだけ、ぼくはぼくの為だけに生きているような気がする。他者を貶めているあいだだけ、他者と自分を切り離すことができる気がする。だから、どうかきみたちもぼくに死ねと言ってください。そうしたらきっと、きみたちもきみたちのためだけに生きられるから。それで、もしいつか、誰かの騙る幸福論が燃やされたときが来たら、ぼくも一緒に燃やされて、誰の幸せの一部でもない自分になりたいな、ぼくはそんなことばかりずっと願っているのです。
他人の幸せも、自分の幸せも、生まれたときからぼくにのしかかる呪いです。

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