【詩】物語の詩

どんな顔なのかも、どこにいるのかも分からない、
この本を書いたあなたのこと、
ずっとずっと好きでいたくて、
だから、ずっと泣き顔で読んでいたかった、
あなたの本を、これ以上ないくらい、泣きながら読んでいたかった、
はずなのに、
真面目な顔をしなければいけないと思って、真面目な顔をして、
そんな風にあなたもわたしも社会を見つめ始めたころ、
物語を読み始めたころ、
きっと、子どもだったわたしたちは死んで、
あなたの物語も、わたしの物語も、
だんだん腐っていくように、死んだ。






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