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詩まとめ

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詩のまとめです。感情が滲み出てくるような詩を書きます。
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#ポエム

【詩】都会の星

【詩】都会の星

躊躇うという感情。こんなにも鍵穴の形をじっと見ていたことなんて、いままでなら、ありえなかったかもしれない。煤けたみたいな色をした新宿駅に夜がやってくるように、公団住宅にも、白夜じゃない夜がやってくる。僕がこうして昼間中、ずっと仕事をして、燃料を補充するように食事をして、夜、魂を一旦放棄するように眠りにつく以前、それは僕が、人間じゃなかったころのことだけれど、僕は瞬いても瞬いても消えない星で、けれど

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【詩】氷

【詩】氷

形も大きさも違う氷が数個転がっていて、何かの拍子にそれらは砕けて、いつか溶けて水になる、水になると元あった形なんて関係なくなって、もともと他の氷だったかどうかも関係なくなって、あたかも自然なことであるかのように混じり合い、溶け合い、いつか誰かに取り分けられて、小さな容器に等分になるように振り分けられて、つまり、みんな同じ人間だって言うのは、そういうことを指して言っているのでしょう?みんなみんな幸せ

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【長編詩】masturbate

【長編詩】masturbate

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無為にしたくないと思いながら、あっという間に、泥のように形を無くし、けれども完全に溶けきることのない多色の沈殿物のような、、、それを、そういうものを日々と呼んで、僕は、なんだか、毎日、吐けないのにむりやり吐こうとしているみたいだ。体内に溜まった毒素をひたすら嫌悪するだけの生活。舞台に、(指をさして)きみとかきみとかきみとか、そういうきみたちが観客の舞台に、僕が立ったことは一度

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