シェア
風何(ふうか)
2023年9月14日 20:16
たぶん、この世界のほかのもの、そのすべてに対して綺麗と思う必要がないんだ、もし自分が綺麗ならば。夕陽に目を細めるみたいな羨望で、眩しいけれどそれが遠くにあることをあらためて認識するような感情で、そうしてその自身の感情にも自分で気づかないままで、わたしはずっと世界をみていた。みていたけれど、いつしか気がつく、自分が絵画から出てきたわけではないこと。なにも考えていないのに頬杖をつくのが好きだった。頬杖
2023年4月2日 17:53
夕陽が射した公園で黙れ、黙れよ、と心臓が引き裂かれるみたいな痛さで、僕は叫んでいて、けれども、もともと誰もしゃべってなんかいなかったこと。僕以外、誰もいない。滑り台の上に覗いた赤い夕陽が、僕の言葉をぜんぶぜんぶ吸い込んでいって、誰にも、もう嫌いと言うことができない。理解したくも、されたくもなかったはずのに、それでも、分かりたかったんだろうか、僕は。「嫌いなところを言葉にできるってこ