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「初恋ソーダ」

「ほろよい読書」短編小説を読みました。
その中のひとつで「初恋ソーダ」という物語がありました。
それを読んだ感想です。(著書:坂井季久子)ネタバレあり

題名からして青春もの?と思いましたが、
40代女性の「ひとりで生きてく?結婚は?」の問いかけ。
5人の違う作家さんの5つの物語のうちのひとつです。
どれも「お酒」にちなんだお話になっているので
題名が「ほろ酔い」となってます♪
家呑みしながらちょうどいい感じの本だな~と思い読み始めました。

主人公の女性は40代で独身貴族。長年働き続けて経済力もある大人の女性。
趣味はお酒で、家で果実酒を作るというこだわりよう。
果実酒用のキャビネットまであり、何年も大事に寝かせて楽しみに漬けては呑むという生活を送っている。

この歳までひとりできたら、マンション買うか?と悩む。
買うとなったら結婚はあきらめるのか。女性として大きな別れ道。
そんな時、ある同世代の男性とBARで出会い、成り行きで
「果実酒手作りなの?呑みたい」と言われて、自宅呑みへと。

異性が呑んだ帰りに自分の部屋に来るという状況。
そして心情がうまく描かれていたなぁ~と感心。
「あ~わかるわかる!」と。
私は誰かと住んだ経験もひとり暮らしの経験もあるのでどっちもわかる。
誰かと呑みたい夜もあるけど
ひとりでゆっくりお酒を味わいたい夜もあるのだ。

私が笑ってしまったのは、40代男性の無神経な言動。
大事に大事に果実酒を漬けて「お酒を味わう」女性と
ガブ呑みしてガハハと下品に笑うおっさん(笑)

ほんの数時間一緒にいるだけで「誰かと住むなんて無理」
と我慢できなくなる気持ちわかる(笑)

これはよかった。
まったりと夏の夜に果実酒のソーダ割を呑みながら読みたい本です。
この作家さんの他の本も買って読んでみたいと思いました。



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