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偶然や気のせいと言ってしまえばそれまでよ <1> 「その時パトカーは通り過ぎた」

時々思い出して、「あれはちょっと不思議だったよな」と思い返したりする小さな出来事がいくつかあります。一つずつ気が向いたときに書いてみようと思います。

それは語学留学でイギリスのマンチェスターにいた頃の話です。当時部屋を借りていた家が映画館の近くにあり、観たいと思った映画(英語はほとんど分からなかったのですが^^)が、夜の十二時くらいに終わるモノだったのですが、家と映画館は歩いて5分くらい(2ブロックくらい)だったので、大丈夫かな? と思い切って行ってしまいました。

映画が終わって、すぐに映画館を出て止まらず歩いて、家に直行しました。家までの道は明るいのですが、人気が無くてドキドキです。映画館の前の太い道路を渡ってまっすぐの道を歩きだすと、後ろから人が歩いてくる気配がします。おぅ? っと思ってチラッと後ろを振り返ると、リュックを背負った若い感じの男(の子?)でした。

念のための用心で、これ以上は無理、というスピードの早歩きをして頑張りましたが、ずんずんと距離を詰めてくる気配がします。「まさか? ひったくりとか?」

がんばれ! っとジブンを励まし、あと少しで角を曲がれば家が見える! っと猛烈な勢いで早歩きをして角を曲がった瞬間。

その道の前方からパトカーがサイレンを鳴らしながら、猛スピードで走り抜けて行きました。

そのパトカーを目で追いながら後ろをさりげなく振り返ると、その男の子は角は曲がらず、まっすぐ歩き過ぎて行くのが見えました。

ほぉ〜〜〜っとしました。その後無事に、家に帰り着きました。


これだけのことなのです、が…。まあ、真相は藪の中です。幽霊見たり枯れ尾花、かもしれません。その男の子は単に、ジブンと同じ方向を急いで歩いていたに過ぎないかもしれません。

でも、でも…? っと時々思い出してしまうのです。もしもあの時、パトカーが通らなかったら…? 

ただ、パトカーは通りましたが、すごいスピードで走り去ったので、本当に何かをやる気だったらその後でやれたかもしれません。でもちょっとした出来心からで、やれたらやろうかな、ぐらいの気持ちだったからパトカーを見て気がそがれた、とかだったのかもしれない。とかって考えると…。

どちらにしても…ジブンにとっては、パトカーの通ったタイミングは、絶妙だったな、という明確な根拠は無いけど、な確信があります。本当にそれはちょうどその角をまさに曲がる時、だったのです。それは結構その男の子が近寄ってきた気配が濃くなった、その瞬間だったのです。

でもそれでも、真相は分かりません。単に足の遅いジブンを、追い越そうとしただけ、かもしれません。

なにはともあれ無事だったのでまああれなのですが、しかし、時々思い出してしまいます。ひょっとして、何か見えないモノの力(?)で、何かが起きたかもしれないことを未然に防いでもらった、だったりとかってこともあったりするのかなあ…なんてことを、考えてしまうことがあります。答えの出ない問いですが。

ですがそういう時は、その見えない何かのモノに向かって感謝をするようにしています。あの時はありがとうございました!(この不可思議な話を読んでしまった方にも感謝です!^^)

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