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文の声に澄ます。 週末日記 3月21日〜27日


3月21日

 古本まつりに行った。旦那は、本に興味がないから、ずっと私の後ろをくっついてて変な人だった。すごろくやで、しりとりリミットを買う。ご飯のときと、ボードゲームを見るときだけ旦那は生き生きとしてた。趣味がおんなじだいいなって思ってたけど、それぞれ没頭できる趣味があるのは気に入っている。

 古本まつりの話はべつのnoteにも書いた。共栄堂のカレーはまた食べたい。


3月22日

 出勤日。今年度末も今日で一区切りだった。荷物の整理をして机の上に何もなくなると、ちょっと寂しい。挨拶も簡単にすませたので、薄情なやつと思われるかなって考えるけど、まあいいやって思う。離任式もないのだ。どんな別れだって強制されるもんじゃない。選んでいいし、言いたい人に言えばいい。こうやって、どんどん図太くなって、頑固になっていくのかもしれない。


3月23日

 ハッカソンの小説の続きを書く。どこかにだそうにも雰囲気が掴めない。コバルトの短編小説新人賞を見つける。どうやら2ヶ月に1回、1万字程度で応募できるらしい。ひとまずそれを目標にする。

 目標があるとやる気が出てくる。公募に出すっていう意識がないからいつだって行き当たりばったり。ちゃんと計画を立てる。


3月24日

 最終出勤日。書類提出で不備があったら嫌だなと。嫌なことって的中するもんで、いろいろバタバタ動き回る。午前中いっぱいまでいて、大事な人にだけ声をかけてサッと帰った。

 午後には計画していた、神保町を探索した。インドカレーカーマに行く。古本屋を巡った。passage で本をもりもり買う。

 ファンタジスタドール イヴ読書会。ファンタジスタドールというアニメがあるのは知ってたけれど、まさかそれがオリジナルだとは知らなかった。完全に太宰治のリスペクト作品だと思ってた。野崎まどの長編を読むのは初めて。人間失格を下敷きにすることで、美しい構成と文体、SF的ガジェットや技術面の説明で、レトロだけれども技術は進歩している世界観を作っている。基本的に研究と理想像の描写にとどまるのに、立ち上ってくるのは、下敷きの効果だろうか。

 技術面の説明は読み飛ばしてるところがあって、調べて読む癖をつけておくと、意識して読めそう。サーフェスLANの発展と未分化なところの描写は細かい。質量傾斜荷重器、原子間力顕微鏡の言葉もそう。本当の中に混ぜられると、嘘も見分けにくくなる。

 アニメ版を知らないから、正直今回の読書会はついていけなかった。二次元に熱狂することへの批判があるとも。「見られる」存在としての意味、ミロのヴィーナス、肉体を離れた理想の存在。それは二次元のイメージと同じなのか? この感覚は覚えておきたい。


3月25日

 梗概を書く。ストーリーをもっと煮詰める必要がありそう。テーマも考えるけれど、このシーンを書きたいってだけじゃあだめなのだろうか

 こないだ麻婆茄子の油まで食べてから胃腸の調子が悪い。なのに、麻婆豆腐に五香粉をかけてもりもり食べた。案の定、体調を壊した。辛さって、病みつきになる。体調が改善したら火鍋を食べる。


3月26日 

 本棚の整理をした。積読本の登録をしてみたら、約300冊。積読してもいいことないから、ちゃんと読む。いらない本はメルカリで売ってみよう。

 ここずっと頑張って『戦争は女の顔をしていない』を読んでいた。生の声。強烈な体験から浮かび上がってくる、言葉にならない、簡単に言葉にできない気持ち。読んでいると、気持ちは落ち込んで、読もうという気持ちもなくなってしまう。それでも読み切った。

 漫画版も3巻が出た。100分で名著版は、読み上げで一度読んでいたらしいけど、記憶にない。読み上げで聞くのも、いいときと悪いときがある。聴きやすくて、さらっと流れていってしまう。

 生の声が並んで、どうこの文章と向き合っていいのか不安になる。作者の説明を求めてしまう。検閲、削除された箇所、章ごとのエピソードから何を受け取るかは読者次第だ。もっと深く読み込みたい作品。

 公募に出しても落ち続けてて、凹んでいたけれど、sf講座を思えば、凹むことでもない。面白い、斬新なものが評価される世界で、何を書きたいのか問われている。


3月27日

 ワクチンを打つ。久しぶりに外に出たら、色々やらかして凹む。シャイニングを見て気持ちを盛り上げた。

 アッシャー家の崩壊つながりで見た。イギリスのゴシックホラーは、ゴシック建築の修道院などの廃墟が発端になっている。アメリカンゴシックホラーは、まだ未開拓の西部の土地、インディアンの歴史に始まっているという。100分de名著を読まなければ、背景もわかっていなかった。Kindle Unlimitedで短編集読めたので、借りた。(再度チェックしたら全3巻借りられた。お得すぎる)

 シャイニングの映画版は、原作とだいぶ表現が違うそうだけれど、サスペンスとしても、ホラーとしても楽しめて好き。笑顔の恐怖が、世界共通なのだと感じた。「盛会ですね」って笑顔で言ってきた紳士の霊が怖い。サスペンスについてもっと知りたい。

 午後になっても元気。明日はもしかしたら調子が悪くなるかもしれないから今日も食べたいもの、おいしいものを作って食べる。


雑感

 神保町の古本市はやっぱり毎年行きたい。すずらん通りのブックフェスティバルも早く開催してほしい。『戦争は女の顔をしてない』じっくり読み込む。


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