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H a p p a n o U p d a t e s - No.258

1月の葉っぱの坑夫の更新情報です。
・「作曲する女たち」プロジェクト、第4回は、19世紀生まれのジーナ・ブランスコム(1000人の大合唱団を率いて)と、20世紀生まれのヴィヴィアン・ファイン(よくできた曲はあまり面白くない)の2人です。
・最近思ったこと、考えたこと
・たにこのみ・原画展「小さなラヴェルの小さな物語」 ー東京編 ー 

Title photot:たにこのみ・木炭画「モーリス・ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調:第1楽章、第2楽章、第3楽章」

作曲する女たち
【小評伝】作曲する女たち(19世紀生まれ)
ジーナ・ブランスコム(1000人の大合唱団を率いて)
【インタビュー】作曲する女たち(20世紀生まれ)
ヴィヴィアン・ファイン(よくできた曲はあまり面白くない)

インタビュアー [ブルース・ダフィー] 紹介
「作曲する女たち」プロジェクトについて

評伝はマデリーン・ゴスの"Modern Music-Makers"(New York E.P.Dutton & Company, Inc.、1952年)からの日本語訳 です。500ページの大部の著作から女性作曲家を選びました。
インタビューはブルース・ダフィー(ASCAP・ディームズ・テイラー放送賞を受賞の元ブロードキャスター)のサイトからの抜粋・翻訳です。
(訳・編集:だいこくかずえ)

20世紀初頭、女性の作曲家や指揮者にはあまりチャンスがありませんでした。そういった中、ジーナ・ブランスコムは合唱曲の作曲や指導、指揮には女性にもチャンスがある、大きな可能性が開かれていると気づきます。そしてアメリカ国内の様々な同好会や教会、社会団体の合唱団のために精力的に曲を書き、指導し、指揮をし続けました。

クライマックスは女性クラブ総連合が創立記念式典を開いたとき、アメリカ各地から集まった大小の合唱団によって編成される、1000人の大合唱団を率いて指揮をしたことです。1000人の人間の声。想像しただけでも圧倒されます。合唱団の歌い手たち自身もこの大きさに感動したと言います。ブランスコムは彼女ならではのやり方で、事前に各合唱団に詳細にわたる指示書を送り、合同リハーサルなしで本番のコンサートに臨み、成功させます。

他の男性音楽家があまり熱心に取り組まない合唱というジャンルに目を向け、世界にとって必要なものと認め、多くの人々や団体からの要望に応える形で、プロジェクトを企画し成功させたブランスコムの功績は、素晴らしいものだと思いました。

インタビューに登場するヴィヴィアン・ファインは、ルース・クロフォード(1909〜1953年)という女性作曲家に師事し、それをロールモデルとして自分の作曲家人生を歩いてきたといいます。

ヘンリー・カウエルやロジャー・セッションズといった著名な男性作曲家をメンターとしたり、長く指導を受けたことで得たものはもちろん大きかったそうですが、同じ女性作曲家であるクロフォードを間近に感じられたことは、素晴らしい体験だったと話しています。

「結婚したとき、作曲や演奏の仕事をやめようとは思わなかったのですか?」という質問に対して、「あり得ないことです。(中略)5歳のときに始めたことが、自分にとってとても重要なことであれば、それを捨てることはないです」と答えています。人の心を動かし、勇気を与えてくれる言葉。ファインが1913年生まれということを考えれば、なおのこと。

□ 最近思ったこと、考えたこと(happano journal)
01.18/24 国家承認の条件とは? パレスチナが国家かどうか調べてみた

イスラエル・パレスチナの紛争が続いています。この先どうなっていくのか、明るい見通しはまだ見えません。最近のニュースを見ると、ネタニヤフ首相は「パレスチナ国家樹立に反対する」と発言しているようです。パレスチナは国家ではないのか。ということで国家であるとはどういう状態なのか、よくよく調べてみました。
南アフリカの国際裁判所への「ジェノサイド訴訟」にも触れています。

□ たにこのみ・原画展「小さなラヴェルの小さな物語」 ー東京編 ー 
2024年1月19日[金]→ 2月4日[日]、dessin | デッサンにて

去年5月のホホホ座の展示につづいて、東京・中目黒の古書店2Fのギャラリースペースにて開催しています。

*フィガロジャポンの編集部 Editor's blogにて、原著『小さなラヴェルの小さな物語』と原画展についてのレビューが掲載されています。


Web Press 葉っぱの坑夫/エディター大黒和恵/editor@happano.org


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