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ハッピーアースデイ大阪初代実行委員長 水井裕さん インタビュー~ハッピーアースデイ大阪10周年企画~

ハッピーアースデイ大阪は今年度で10周年!

ということで、この機会に、ハッピーアースデイ大阪がどのようにできたのか、どんな想いで続いているのかを歴代のメンバーの方たちに聞くことにしました。

第6回目は、ハッピーアースデイ大阪の立ち上げメンバーの1人であり、初代実行委員長の”水井裕さん”にインタビューしました。

水井裕さん

株式会社ココウェル代表
ハッピーアースデイ大阪初代実行委員長

1.ハッピーアースデイ大阪の作り方

ハッピーアースデイ大阪を作った理由はなんですか?

元々アースデイ神戸をしていたんです。
アースデイ神戸は2007年から始まったのですが、どのようにして出来たか知ってますか?

知らないです!

元々は僕がフィリピンに出張に行ったときに、飛行機の中である女性の団体に出会ったんですね。それで、その女性方は空港に迎えが来るみたいで、「一緒に乗っていく?」と言ってくれたので、宿泊先まで車に乗せてもらい、話をする時間があったんです。

すごい優しい方と出会ったのですね。どんな話をされたんですか?

その女性たちはなぜマニラに行っていたか聞くと、フィリピンの幼稚園の支援をするという団体で、マニラにある幼稚園が資金不足でなかなか継続するのが難しいからお金を集める活動をしていると言うんです。

それを聞いてどう思ったのですか?

「何かお手伝いできることがないかな?」と思いました。
そして、その女性たちにどんな活動をしているのか聞いたら、フィリピンで作ったものを日本で売る活動をしていると。詳しく聞くと、本当に手作業で作ったものを日本で売ったりしていたんです。
それを聞いて、もっと自分にも出来ることがあるのではないかと思って。

その話を聞いて、自分に何か出来ないかと思えるのがすごいです。
実際に何かされたんですか?


その女性たちが神戸出身だったんで、「神戸で何かチャリティーイベントをしましょう、僕たちが企画するんで」って言いました。そして実現したのが、神戸アジアンビレッジというイベントです。それを準備から2か月くらいの期間でやりました。
神戸の廃校になった小学校を借りてやったんですけど、そこである程度うまくいって、少しですがお金も残せたので彼女たちに寄付をしました。

2か月という期間でイベントを作りあげたんですか!

時間がなかったので、とりあえず色んな人に声をかけて、全然今までコンタクトをとったことのないNPO団体とかにも声をかけて一緒にやってもらいました。それで色んな繋がりが出来て、「このまま1回だけで終わらせるのはもったいない」と思いました。
そこで、継続して何か環境イベントをやっていこうということになって、「アースデイ」に変えようということで、名前を「アースデイ神戸」に変えてイベントをしたのがきっかけです。

じゃあ、元々はフィリピンのチャリティーイベントから始まっているんですね!

そうですそうです。

なんでアースデイという名前にしたんですか?

元々東京のアースデイとかにココウェルで出店していたので、アースデイというのは知っていました。でも、関西にはアースデイが全然なかったし、もっともっと広い意味で環境のことを伝えたいという想いがあったので、フェアトレードとかだけじゃなくて、より広い意味で使うのであれば、アースデイというのがいいのかなと思いました。

そうなんですね!
そこからハッピーアースデイ大阪にどう繋がるんですか?


それから毎年1年に1回アースデイ神戸をやっていたんですね。
アースデイをやっていると色んな人と出会うし、知らない企業さんとかに取材に行ったりしていたので、新しい出会いもあって、学ぶことも沢山ある。活動自体をほぼほぼ社会人がボランティアでやってたんですけど、もっと学生が関わってやった方が学ぶことが多いし、学生たちの将来のためになるんじゃないかと思って。学生主体のアースデイがあっても良いのではないかと思って。

学生にも学んでほしいという想いがずっとあったんですね。


そんな時にある人に紹介してもらって中村満くん(2代目実行委員長)に出会いました。

「今こんなことを考えてる」って話をしたら彼もやりたいと言ってくれて、「じゃあ一緒にやってみよう!」という話になりました。
中村くんが学生を集めてくれ、僕が手伝ってくれそうな社会人に声をかけてメンバー集めをしたんです。それで、2010年かな、秋に「ハッピーアースマーケット」をやりました。

最初は「ハッピーアースデイ大阪」というイベントじゃなかったんですね!
初めての大阪でのアースデイイベントはどうでしたか?


昔は、アースマーケットを秋にやって、アースデイを春にするという年に2回やっていました。1回目は全然お客さんが来なくて散々でしたね。
でも継続して、2回目の春にやった時には沢山の人が集まって、今の流れになっているという事ですね。

なるほど、継続は力なりですね!ハッピーアースデイ大阪は学生に学んでほしいという想いで作られたんですね。
そもそも、な
んでアースデイイベントがやりたかったんですか?

僕らもそうですが、環境や途上国支援などこだわりをもってものづくりをしている人って結構いてるじゃないですか。
でも、どれだけこだわりをもっていても、ものを売るって本当に難しいんです。商品のこだわりを理解してもらうのは本当に難しい。それに、例えばサラリーマンとか主婦とかをしながら、空いた時間で素敵なものづくりをしている人って沢山いてるじゃないですか?本当はそれを本業にしたいけどなかなか出来ない人も沢山いてるんです。

たしかに、やりたいことを仕事に出来ている人は少ないように思います。

そういう人って本当は好きなことをやってそれを本業にしたらいいんですけど、そこにファンとかお客さんがまだまだ少ない状況で、本業には出来ない。そういう人たちがこだわりのある物を売る場所というのがなかなか無かったように思います。それで、本当にこだわりを持って、環境のことを考えて、素敵な”ものづくり”をしている人達の売る場所を作りたいなという想いがありました。
それが僕たちがするマーケットに繋がっていると思います。

そんな想いも込められてたんですね!
”こだわり”や”想い”という部分が今も受け継がれていると思います。
じゃあ、ハッピーの立ち上げの前にアースデイ神戸の立ち上げも水井さんがしてるんですね!


そうですよ、アースデイ神戸も始めましたよ。
今うちのスタッフ(ココウェルの従業員)もアースデイに関わっているスタッフは何人かいますけど… 僕は両方やめて、今はもう何にもしてないです。

アースデイ神戸はみなとのもり公園で毎年5月初旬に行われています!
実行委員も遊びにいきました!

2.ハッピーアースデイ大阪の歴史

ハッピーアースデイ大阪の実行委員長は最初は水井さんだったんですか?

そうですね。2015年か2016年くらいに僕が辞めたタイミングで中村くんに交代しました。

どうして中村さんだったんですか?

役割として、実行委員長は責任をとらないといけない。
イベントなので、何が起こるか分からない。起こってはならないですが、お客さんがケガをしたり、もしかしたら食中毒が起こらないとは100%言えない。そういう時に最終的に責任をとる人は社会人じゃないと難しいだろうなというのは感じたので、実行委員長は社会人だろうなというのはなんとなくずっと思っていました。それで、初めは僕が実行委員長をして、学生だった中村くんが学生事務局長という役割分担でやっていました。そうして何年か経って、僕も自分の会社のココウェルが忙しくなって続けるのが難しくなってきて抜ける決断をしたときに、次は社会人になった中村くんが実行委員長というのは自然な流れだったと思います。

中村さんが学生で水井さんが社会人だというのがめっちゃ違和感です!!水井さん若く見えますね!!!
ココウェルをしていたから、飛行機で女性達に会えたんですよね!


そうそう。ココウェルをしてなかったら、最初の女性たちにも会えてなかったし、たぶんチャリティーイベントもやってなかったと思う。アースデイ神戸も始まっていなかったでしょうね。

そしたらハッピーアースデイ大阪もなかったかもしれないですね。
その立ち上げてくださったアースデイが10周年を迎えます、何か思うことはありますか?


もう全然関わってないからね~(笑)。「もうそんなになるんか!」って感じかなー?
今から振り返ると、「もう本当に10年経ったんだな、あっという間」って感じですね。
最初から関わってたのは6年くらいかな?辞めてから3、4年くらいたったので、もう全然知らない学生ばっかり(笑)。

当時、学生実行委員は何人くらいいたんですか?

結構いたよ。初期メンバーは中村くんが連れてきてくれた。
女子学生が3人、男子学生が10人くらいいたかな。

そんなにいたんですね!私たちの感覚では、最近人数が増えてきたって感じでした!

最初は多かったよ!そこからちょっと減っていったりはしてたんだけどね。
初期メンバーの子たちは今ではみんな結婚をして子どもを産んでるんで、それがびっくりですね。

3.発起人からみた、今のハッピーアースデイ大阪

今の学生実行委員をみてどう感じますか?

全然見れてないねんけど(笑) 
正直、想い描いていた通りになっていると思います。学生主体というのはこういう事だなと思ってっていて。それが理想形に近づいてきているなと思いますね。
やっぱり最初のころは、社会人が動かないと成り立たなかった。
今は主体的に動いていると思うので、ある意味、最初に理想としていたような形にはなっているのかなと思いますね。

そんな言葉を言ってくださるなんて、本当にうれしいです。

どんどん下の若い世代も増えてきているし、本当にすごいなと。
最初は結構そこで苦労してたので。新しい学生が入ってこなくて、学生主体と言いながら、俺たち社会人が必死になってやっていたところもあるので… 
今ももちろん社会人のサポートがあるとはいえ、学生が主体的に動いているのは素晴らしいなと思います。

本当に社会人の方のサポートはすごいです。安心して挑戦できます!
そんなこれからの実行委員に期待することは何ですか?


そうですね。正直、僕らが始めたことに比べると、イベントとか他でも増えてきてるじゃないですか。マルシェとか。だからマーケットだけでいうと、もうそこまで必要じゃないかもしれないと思っていて。啓発イベントでしょ?まだ。

はい、一言で言うと環境啓発イベントですね

啓発イベントはもう正直いらないなと思っていて、もうみんな環境問題は分かっているし、地球が今どういう状況かというのはもうみんな知っている。もう多くの人が分かってきていると思うから、単純な啓発イベントはもういらないと思っているんですよ。
イベントするにもエネルギーを使うし、環境を犠牲にしている部分もあるじゃないですか。ポスターを作ったりチラシ作ったりとかね、ある意味…

企画とか装飾でもゴミが出たりしますもんね。

だからなにか、そのイベント自体が本当に環境のことをよくするように動く。啓発イベントだからこれでいいだろうというのではなくて、イベントの中で、アースデイの活動の中でもっと実際に環境に対して出来ることやっていく必要があるのではないかなと思いますね。もう次の段階にきているのではないかと思っていて、もうこれ以上啓発イベントみたいなのはいらないですね。
もう、単に環境に優しいものを売ってとかではなくて、実際に行動する。

たしかに、なかなか完全には難しいけれどその努力は必要だと思います。

それこそ、”one step for action”(ハッピーアースデイ大阪の理念)の”one step”とか言ってる場合じゃないと思うんですよ。もうすぐにも”action”をしないといけないと思うんですよね、実際に。だからもう変えた方がいいと思うんですよ。”one step”どころじゃないですよ。 

10周年を機に、水井さんの一声で変えますね(笑)

いやいや(笑)
でも始めは良かったと思うんですよ。まずアースデイに来た人に行動を起こしてもらう“きっかけ”になるというところでは、これで良かったと思うんです。
けど、もうそうも言っていられない状況じゃないですか。

そうですね、伝えるだけではなくて実際に行動してもらえる場にしたいですね。

もうそこまで考えないと、アースデイの意味もどんどんなくなってくると思うし、もう後戻りできないというか、地球環境はもう間に合わないという状況になってると思うので。じゃあ、アースデイはどうしていくのか、というのをもっと考えてほしいというのがありますね。

では、アースデイの未来は、そういうイベントになってほしいということですかね。

具体的にどうかとか分からないけれど、それこそ今はSDGsとか言われてますけど、企業に対して行動を促す活動にするとか、もっと積極的な学生ならではの活動もしていっても良いと思う。

説得力がすごいです。みんなに水井さんの話きいてほしいですね 。

本当に”one step for action”はもう変えないと。

水井さんは、2030年の地球環境はどうなっていると思いますか?

2030年ってそれこそSDGsの目標年ですよね。うーん、いやぁ、このままでは変わっていないと思いますね。消費者が自分ごととして捉え、企業も変わらないと。

十年後の地球環境は変わっていない。

10年はあっという間ですからね。10年後の現状としては悪くなってると思う。10年で良くなる地球ではないからね。ただその時点でみんなの意識や行動、技術もそう、すべてが地球本位で動く世界になっていればと思います。

4.さいごに

今のハッピーアースデイ大阪で何かやるとしたら、何をしますか?

うーんと、何するかな、企画でしょ?なんか、ボイコット活動とかするんちゃうかな。

えー!意外です。

分からないけど、なんかそういうこと、昔の学生運動みたいなことをやってほしいな。
昔は政治に対してとかの学生運動とかあったと思うんですけど、それくらい強い発信や行動を学生たちがアースデイを通じてやっても良いんじゃないかなという気もするけどね。

学生運動はとてもインパクトがある活動ですよね。
アースデイとして、ハッピーアースデイ大阪として何をしていくか考えないといけないですね。他にやりたいことはありますか?

あとはやっぱり食ですね。
食に対して訴えたいことはいっぱいあるので。今の市場に出回っている食べ物の怖さというのは、自分も色々商品を作ってる中で感じることは沢山あるので、なんかそういう食の未来というか、そういうことを伝える場所を作ってみたいなと思いますね。
本当のことを知ると本当に食べるものがなくなるからね、うん。

ぜひ!やりましょう!


環境について知ってもらうためのイベントではいけなくて、何か次に進まないと駄目やと思う。学生が多いからなんか色々できそうですけどね!

最後に一言お願いします。

“One step for action”というテーマを変えろー!
そんなこと言ってる場合じゃない!

ありがとうございました!

インタビュー企画はまだまだ続きますので楽しみにしていてください!

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