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仙台に


ちょこっと仙台に^ ^
「怒ったり、悲しんだりしたところでどうにもならない災厄が耐えがたいほどに多すぎて、右にも左にもいけず、ただ立ち尽くすほかない日が続いた。穴があった・・・」
佐藤厚志『荒地の家族』

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「佐藤厚志の『境界の円居』の中に吹く風は、決して過去や未来によっては支えられることのない、いま、ここ、に存在する人間の寄る辺ない魂を吹き抜ける・・・」仙台短編文学賞選評・柳美里

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「そしてそのどの表現もしっくりこないとも感じた。
言い表しようのないものがあった。
激震と振幅、海が沖へ引いて剝き出しになった岸壁、海それ自体が盛りあがりながらあげる聞いたことのない轟き、黒い水、メキメキと家々が・・・」
佐藤厚志「境界の円居」(2020年仙台短編文学賞大賞)

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「震災をテーマとした作品を募ったわけではなかった・・・
・・・震災後に書かれる文学というものも、震災を直接描かなくても、その作品の底に、震災後の雰囲気であったり、沿岸部の土地の感じのようなものが、濃厚に流れていることによって、後世にも読まれ得る文学となるのではないか・・・
・・・震災の悲劇に直面し、その復興とともに成長していく子供たちが、やがて文学の言葉を持つようになり、何を表現するか・・・」
佐伯一麦「手がかりとして、拠り所としての文学ー序に変えて」『仙台短編文学賞作品集』2022


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