短歌の会 覇王樹|短歌会

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短歌に興味をもつ方、若い人からご年輩の方まで、みなさまのご入会を心から歓迎します。 ➢ お問い合わせ先: https://www.haoujusha.com/blank-2 ➣ 短歌の会 覇王樹|公式サイト: https://www.haoujusha.com/

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選歌 令和6年11月号

笛を琵琶を捨てて平家はほろびたりわが棄てるものどれ程のもの高田香澄 久々の友からの誘いブランコから飛び出すように出向くと答う高田好 濡れ縁の猫が食べるを見守りているかのような黒い蝶なり玉尾サツ子 エジプトゆ休暇の次女のこぼすこぼす老老介護のための帰国と橋本俊明 いつの間にか朝顔一輪咲いており 平和な朝のマゼンタの色山口美加代 補聴器をはづして聴かむ夕は心の襞に深くかなしも渡辺茂子 自己流の人生長く生きながら乾き過ぎたるシーツをたたむ臼井良夫 いいんだよ泣いて笑って怒っても夏の

    • 八首抄 令和6年11月号

      永田 賢之助 選 晩年の姉の齢に近付けり触れなば爆ぜん鳳仙花の実青山良子 不可侵の条約破る旧ソ連現在も続けるウソつき外交上村理恵子 「癌ですね」風ですねくらいあっさりと医師は告げおり吾は諾う三上眞知子 少しずつ過去になる君を中指のダイヤに詰めて連れ歩くとす伊雪佑 夫の死も妹の死も受け入れて蟬のリズムに読経をのせる谷脇恵子 待ちかねたるタクトに始まる夏の「第九」わが庭に響くの大合唱井手彩朕子 吾子の思い出孫の思い出てんか紛はるかな夏のアセモと匂い髙間照子 五歳児

      • 選歌 令和6年10月号

        ひとりとて咀嚼早きはわびしいぞ夕餉はアンダンテの緩さに摂らん高田香澄 物の値のあがる暮らしも意と構え明日買う品のいくつかを消す田中春代 今年花三度咲かせて金柑の放てる香り梅雨明け近し橋本俊明 耳遠くなりてかなしもテレビに爆づる今宵の花火美しかれど渡辺茂子 ひとつばたごの散り花拾ひ遊びゐし亡き子の近々誕生日なり井手彩朕子 泣けるだけ泣かせてあげたい母心若い詩ちゃん生きてる証(女子柔道選手)高橋美香子 白玉をつるりつるりと食べながらウソのウワサもつるりと呑んで髙間照

        • 八首抄 令和6年10月号

          山口美加代選 夏空に映す君とのワンカット セットは半世紀前の街角財前順士 惑星の光景のように眺めいる 施設の浴場に幼児が来て高田好 しやうしやうと朝つゆ光る紫式部つぶら実映ゆるまで生きまほし西尾繁子 いくつもの把手に触れて来たる掌を全開にして日昏れを洗ふ臼井良夫 入道雲かぶさるように吾に迫るアクセル緩め右折して避け浦山増二 ずっしりと重き校史を広げれば我も息子も小さく名あり森本啓一 浸食の波に体を放るとき瀬に手を伸べよフランスは朝伊雪佑 炎帝にひれ伏すごとく夏

        選歌 令和6年11月号

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          朗読_選歌_令和6年10月号

          朗読_選歌_令和6年10月号

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          朗読_八首抄_令和6年10月号

          朗読_八首抄_令和6年10月号

          朗読_八首抄_令和6年10月号

          選歌 令和6年9月号

          進化などつまらぬことよ捩摺は千年螺旋を咲きのぼるなり高田香澄 餌撒けば真鯛群らがり飛び跳ねる故郷の光一気に集め高橋美香子 空の青海の青にも染まらずに鴎の飛ぶを頻りに見たし田中春代 遺りたる一人も逝きて庭畑の荒るるに任せ悪なすび咲く橋本俊明 捨つるものなきかと見まはす部屋の中あの思ひ出も捨ててしまおう渡辺茂子 本棚の一冊分の透き間闇埋めらるるなく週末が来る臼井良夫 歳重ね不要の人となることを怖いと言いし人の若さよ小笠原朝子 水たまりホップ、ステップ、ジャンプ飛べな

          朗読_選歌_令和6年9月号

          朗読_選歌_令和6年9月号

          朗読_選歌_令和6年9月号

          鎌田国寿歌集 『夢路を辿る』

          鎌田国寿歌集        『夢路を辿る』の世界長澤ちづ(ぷりずむ代表)           高祖母の仰ぎし桜の静けさを  探し求めて夢路を辿る 歌集名となった一首。高祖母とは祖父母の祖母のこと、作者から見ると四世代遡ることになる。勿論互いに知る由もなく、されど血の繫がりは紛れもない、そんな存在の女性だ。幕末から明治の頃の女人に桜の面影を託して詠う作者は、現実を見据えて詠うよりは浪漫性豊かに事象を捉えて詠う人であろう。 淋しげなあなたを乗せて紫の、不思議な鳥が消えてゆく

          鎌田国寿歌集 『夢路を辿る』

          八首抄 令和6年9月号

          井手彩朕子選 遠雷とわれの鼓動が響きあう記憶の底のひとつを揺らし児玉南海子 それぞれの今日に向かえる戦士らを改札ギュッと集めて放つ三上眞知子 わが背丈越えて繁れるプチトマトどうにもかうにも反抗期めく岩本ちずる ぽっとんとポストに落とし帰り道助詞の間違い一つに気づく藤峰タケ子 今ならば彼の日の夫の呟きにもっと寄り添い共に泣けたに田中昭子 何気なくかけた言葉に「わかってる!」矢が放たれる娘の言葉上中幾代 幾たびもピースを嵌めてはまた外す完成しない自分未来図津上恭子

          八首抄 令和6年9月号

          朗読_八首抄_令和6年9月号

          朗読_八首抄_令和6年9月号

          朗読_八首抄_令和6年9月号

          朗読_選歌_令和6年8月号

          朗読_選歌_令和6年8月号

          朗読_選歌_令和6年8月号

          八首抄 令和6年8月号

          青山良子選 命より国が大事と言ふ原理ひまはりの花横向きに咲く臼井良夫 労られかばわれながら晩年の生きる日常わがものならず児玉南海子 もう一度若葉になれるものならばさやけきそよぎつくれるものを北岡礼子 花の色白へと褪せゆくバンマツリ生あるものの道筋として小笠原朝子 リビングの照明LEDに変えてより寿命のかけっこ私と灯り奥井満由美 全世界は腰で出来てゐるといふ思索に陥るぎつくり腰の夜佐田公子 露の世の露のひととき香を焚き一期一会の席入りを待つ宮本照男 揺れるたび青

          八首抄 令和6年8月号

          選歌 令和6年8月号

          白々とかすめる町の窓の辺に木の芽春雨おとなく降れり清水素子 里山に膨らむ樹林のごとくなる思いを秘めて生きてゆきたし田中春代 鴨が去り方丈のやうな池の面のこれからの夏ボクもこれから橋本俊明 江戸の人となりてひと日を歩みたり芭蕉の弟子とわれもなりたり山北悦子 僅かずつ遅れ気味なる卓上の時刻合わせは程好い触り吉田和代 草津本陣遠来の客うれしかり軒に燕の声のひびける渡辺茂子 タイマーを使わず測る私の三分間の硬いラーメン渡邊富紀子 正しさの返り血浴びて振り向けば滑稽だ夜叉

          朗読_八首抄_令和6年8月号

          朗読_八首抄_令和6年8月号

          朗読_八首抄_令和6年8月号

          八首抄 令和6年7月号

          佐田公子選 コンゴにて採掘されし鉱石に含まれていた人間の業藤田直樹 ストリートビューに生家を訪えば更地になりてフェンスに囲まる大野雅子 大谷を見てのち国会シュワシュワと炭酸水の泡の消えゆく奥井満由美 ヒロシマに生まれ平和の申し子の総理を歌おう何と歌おう永田賢之助 知らぬ間に武器売る国の民となる令和六年三月重し田村ふみ子 老いぬれど色濃き唇の客引きに諸行無常の響を聞きたり石谷流花 お昼過ぎ鳩の広場の隅の隅飛ぶ気はないが羽を広げる一色春次郎 散蒔かれたパズルの隣の

          八首抄 令和6年7月号