短歌の会 覇王樹|短歌会

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短歌に興味をもつ方、若い人からご年輩の方まで、みなさまのご入会を心から歓迎します。 ➢ お問い合わせ先: https://www.haoujusha.com/blank-2 ➣ 短歌の会 覇王樹|公式サイト: https://www.haoujusha.com/

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選歌 令和6年9月号

進化などつまらぬことよ捩摺は千年螺旋を咲きのぼるなり高田香澄 餌撒けば真鯛群らがり飛び跳ねる故郷の光一気に集め高橋美香子 空の青海の青にも染まらずに鴎の飛ぶを頻りに見たし田中春代 遺りたる一人も逝きて庭畑の荒るるに任せ悪なすび咲く橋本俊明 捨つるものなきかと見まはす部屋の中あの思ひ出も捨ててしまおう渡辺茂子 本棚の一冊分の透き間闇埋めらるるなく週末が来る臼井良夫 歳重ね不要の人となることを怖いと言いし人の若さよ小笠原朝子 水たまりホップ、ステップ、ジャンプ飛べな

    • 朗読_選歌_令和6年9月号

      • 鎌田国寿歌集 『夢路を辿る』

        鎌田国寿歌集 『夢路を辿る』の世界長澤ちづ(ぷりずむ代表)           高祖母の仰ぎし桜の静けさを 探し求めて夢路を辿る 歌集名となった一首。高祖母とは祖父母の祖母のこと、作者から見ると四世代遡ることになる。勿論互いに知る由もなく、されど血の繫がりは紛れもない、そんな存在の女性だ。幕末から明治の頃の女人に桜の面影を託して詠う作者は、現実を見据えて詠うよりは浪漫性豊かに事象を捉えて詠う人であろう。 淋しげなあなたを乗せて紫の、不思議な鳥が消えてゆく

        • 八首抄 令和6年9月号

          井手彩朕子選 遠雷とわれの鼓動が響きあう記憶の底のひとつを揺らし児玉南海子 それぞれの今日に向かえる戦士らを改札ギュッと集めて放つ三上眞知子 わが背丈越えて繁れるプチトマトどうにもかうにも反抗期めく岩本ちずる ぽっとんとポストに落とし帰り道助詞の間違い一つに気づく藤峰タケ子 今ならば彼の日の夫の呟きにもっと寄り添い共に泣けたに田中昭子 何気なくかけた言葉に「わかってる!」矢が放たれる娘の言葉上中幾代 幾たびもピースを嵌めてはまた外す完成しない自分未来図津上恭子

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        • 八首抄
          21本
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          朗読_八首抄_令和6年9月号

          朗読_八首抄_令和6年9月号

          朗読_八首抄_令和6年9月号

          朗読_選歌_令和6年8月号

          朗読_選歌_令和6年8月号

          朗読_選歌_令和6年8月号

          八首抄 令和6年8月号

          青山良子選 命より国が大事と言ふ原理ひまはりの花横向きに咲く臼井良夫 労られかばわれながら晩年の生きる日常わがものならず児玉南海子 もう一度若葉になれるものならばさやけきそよぎつくれるものを北岡礼子 花の色白へと褪せゆくバンマツリ生あるものの道筋として小笠原朝子 リビングの照明LEDに変えてより寿命のかけっこ私と灯り奥井満由美 全世界は腰で出来てゐるといふ思索に陥るぎつくり腰の夜佐田公子 露の世の露のひととき香を焚き一期一会の席入りを待つ宮本照男 揺れるたび青

          八首抄 令和6年8月号

          選歌 令和6年8月号

          白々とかすめる町の窓の辺に木の芽春雨おとなく降れり清水素子 里山に膨らむ樹林のごとくなる思いを秘めて生きてゆきたし田中春代 鴨が去り方丈のやうな池の面のこれからの夏ボクもこれから橋本俊明 江戸の人となりてひと日を歩みたり芭蕉の弟子とわれもなりたり山北悦子 僅かずつ遅れ気味なる卓上の時刻合わせは程好い触り吉田和代 草津本陣遠来の客うれしかり軒に燕の声のひびける渡辺茂子 タイマーを使わず測る私の三分間の硬いラーメン渡邊富紀子 正しさの返り血浴びて振り向けば滑稽だ夜叉

          朗読_八首抄_令和6年8月号

          朗読_八首抄_令和6年8月号

          朗読_八首抄_令和6年8月号

          八首抄 令和6年7月号

          佐田公子選 コンゴにて採掘されし鉱石に含まれていた人間の業藤田直樹 ストリートビューに生家を訪えば更地になりてフェンスに囲まる大野雅子 大谷を見てのち国会シュワシュワと炭酸水の泡の消えゆく奥井満由美 ヒロシマに生まれ平和の申し子の総理を歌おう何と歌おう永田賢之助 知らぬ間に武器売る国の民となる令和六年三月重し田村ふみ子 老いぬれど色濃き唇の客引きに諸行無常の響を聞きたり石谷流花 お昼過ぎ鳩の広場の隅の隅飛ぶ気はないが羽を広げる一色春次郎 散蒔かれたパズルの隣の

          八首抄 令和6年7月号

          選歌 令和6年7月号

          幾たびの桜に逢へば満つらむか吾はさびしゑ心さびしゑ渡辺茂子 ちりちりと溶けるチーズを鉄板に泳がしてゐる春愁ひとつ臼井良夫 香ばしいクロワッサンの朝食に形似ている雲を目で追う児玉南海子 皿を洗ふ妖精が来てくれぬかと少女は思ひ今でも思ふ高田香澄 浮き雲にトランポリンのぷあんぷあん捻挫の足とドジな私髙間照子 健啖の妻へひと切れカツ分ち相もかはらぬ夕食風情橋本俊明 ふかぶかと椅子に腰かけ息を吐く午前十時のひとりの厨宮本照男 夕焼けをワイングラスに流し込みあった事もなかっ

          朗読_八首抄_2024年7月号

          朗読_八首抄_2024年7月号

          選歌 令和6年6月号

          長年に書きたる文字の曲がりゆく老い行くことのこれもひとつと渡辺茂子 身の痛み忘るる瞬間サイネリア、エニシダ、マグサに水呑ますとき青山良子 息子の死して貰へる勲章など要らぬウ・露の母らの悲しみいかに岩本ちずる 九割が一人参加の女性とう つるまぬ人との相席の旅小笠原朝子 この青をたどりてゆけば能登の海わがふるさとに繋がる大海児玉南海子 浮き島のごとき日本に生き継げとイタリア渡りのミモザはそよぐ高田香澄 たわいなく笑って話しているうちに目尻に溜まる涙の苦さ高田好

          八首抄 令和6年6月号

          渡辺茂子選 何処へと散りゆくならむ宵の駅ひかりの中より人ながれ出づ山北悦子 日々と言ふこの薄紙の如きもの吹きちらされて又白くなる臼井良夫 独り居の早めに雨戸閉める日はつながる何かを拒むに似たり吉田和代 ヒヤシンス二株庭にむくむくと全てが動く春の兆しに伊関正太郎 約束の侮りがたし祈るごと君は綺麗に座りたりけり財前順士 畦道を歩けば吾を待ち伏せるヌスビトハギが手足を伸ばす上中幾代 風吹きて角引っ込めるカタツムリ引っ込め過ぎてことば失う福留夕音 ぺらぺらと私の中身が

          八首抄 令和6年6月号