Photo by subaruphoto2002 選歌 令和6年9月号 2 短歌の会 覇王樹|短歌会 2024年8月11日 17:45 進化などつまらぬことよ捩摺もぢずりは千年螺旋を咲きのぼるなり高田香澄餌撒けば真鯛群らがり飛び跳ねる故郷の光一気に集め高橋美香子空の青海の青にも染まらずに鴎の飛ぶを頻りに見たし田中春代遺りたる一人も逝きて庭畑の荒るるに任せ悪なすび咲く橋本俊明捨つるものなきかと見まはす部屋の中あの思ひ出も捨ててしまおう渡辺茂子本棚の一冊分の透き間闇埋めらるるなく週末が来る臼井良夫歳重ね不要の人となることを怖いと言いし人の若さよ小笠原朝子水たまりホップ、ステップ、ジャンプ飛べないけれど飛んだつもりで今野恵美子鉄橋を渡る列車の遠鳴りの湿り帯びたり水無月の朝佐田公子物陰を選びて歩く初夏の日に一陣の風我を追い越す清水素子人生でたった一年の同級生お世話になったとは恐縮千万富安秀子半夏生を半化粧と言ふ夫の視線言はれてそれもありかと思ふ成田ヱツ子雨の中ひとり泣いてるあぢさゐのその切なさに寄り添ひてみむ西原寿美子だだつぴろい部屋に一人で住みながら甚平を着てパソコンを打つ高貝次郎うぐひすのほらまた鳴いたとデイの人見送るわれを振り返り云ふ友成節子パソコンの書類作成苦手でもやらねばならぬ子育て支援松下睦子約束をなしたるごとく咲きそむる姫睡蓮の六月三日伊関正太郎あぢさゐの「隅田の花火」を見るにつけ遠くへ行きし人思ひ出す井手彩朕子膝をつき有るか無きかの雨を受く恩師の住まいは更地となりたり鎌田国寿叶ふならスキップをしたき思ひして紫陽花続く川べりを行く谷脇恵子生きている実感をもつ為だろうゲレンデ目指す 晴れるといいが藤田直樹今はもうつけること無き香水が琥珀色して並ぶ鏡台髙橋律子しめやかな紫陽花の森に迷い込み暫し浸りぬ音なき世界田村ふみ子エレベーター残るサボンの香り誰青葉の風に浮かぶ面影福留夕音林檎の柄つまみてそつと少しだけ上げれば重し津軽サンフジ清水洋子こんなにもバスが揺れていることも気づかないでゆれる乗客森崎理加たまたまにベンチの隙間につかえたり遊びごころの止まる一葉吉田和代母親は息子に内緒を持っていい隠し味とかほんとの歳とか渡邊富紀子予定日に遅れてごめんねお母さん梅雨を産湯にしてみたかったの伊雪佑ラストランあと何周残れるかゆっくりじっくり時を稼せがん浦山増二朗読を聞いてみる 短歌の会 覇王樹|公式サイト 短歌の会 覇王樹 | 公式サイト 短歌の会 覇王樹は、今年で103周年を迎える短歌結社です。 創設以来「清新自由」をモットーとし、口語短歌や伝統的短歌を各 www.haoujusha.com 短歌の会 覇王樹|公式X ダウンロード copy #短歌 #短歌会 #覇王樹 #覇王樹社 2