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八首抄 令和6年8月号

青山良子選


命より国が大事と言ふ原理ひまはりの花横向きに咲く

臼井良夫


労られかばわれながら晩年の生きる日常わがものならず

児玉南海子


もう一度若葉になれるものならばさやけきそよぎつくれるものを

北岡礼子


花の色白へと褪せゆくバンマツリ生あるものの道筋として

小笠原朝子


リビングの照明LEDに変えてより寿命のかけっこ私と灯り

奥井満由美


全世界は腰で出来てゐるといふ思索に陥るぎつくり腰の夜

佐田公子


露の世の露のひととき香を焚き一期一会の席入りを待つ

宮本照男


揺れるたび青に近づくフラココはどこにもゆけぬ乗り物として

森崎理加






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