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【詩】6月の詩(うた)

「じゃあ、傘、買いに行く?」

日曜の午後
君はそう言って笑った

君と暮らして
2度目の6月

雨は降り続く

「立ち寄った店で傘をなくした」

君に話したら
君はあきれていた
でもどこか楽しそうに

傘をなくした
僕の6月

君がいる6月


雨の日は嫌いだった

たとえば
ひとり部屋の中
時間をもてあますたびに
僕の未来が少しずつ
僕に話しかけてきた

聞こえないふりをしても
僕に話しかけてきた

不器用じゃないし
愛想笑いもできる
失うものもないのに

まだ見えない僕の未来が
嫌いだった

君に出会うまでは


君がいる6月

雨は降り続く
それでも
未来は変わる

君が笑うたび
少しずつ
未来は変わる


扉の前
君が僕を呼んでいる



☆☆ミニ作品解説とおしゃべり☆☆

6月ですね。梅雨ですね。
日常にありそうなワンシーンを書いてみました。

#創作大賞2023
#私の作品紹介
#詩


©︎ 2023 松本アニー

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