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sugusug
子供時代の貧困と虐待生活 -12-
僕は就職活動用に買ったネクタイに輪を作り、首にかけた。
目をつむり、体重をかける。
ネクタイが頸動脈に食い込み、頭が一瞬熱くなる。
意識が遠のいていく。
ラジカセから音楽が流れてる。その音楽が、少しだけ歪んだ。
その瞬間、僕は頸に巻き付いているネクタイを緩めた。
死ぬのが怖いという感情よりも、なんてあっけないんだという感情が先に来た。
死ぬことがあまりにも簡単すぎる。
生きることよりも、あまりにも簡単だ。
その時僕は、これならいつでも死ねるなって思った。
いつでも死ねるならもう少し生きてみよう。
別に、強く生きようとか、何が何でも生きてやる!とか、そういう風に思ったわけじゃない。
ただ、なんとなく、いつでも死ねるならもう少し生きててもいいなと思っただけだ。
生きることはしんどい。
両親が離婚して、毒持ちの母親に引き取られ、兄弟もいない一人っ子の子供が、毒素まみれの一族に組み込まれていく。
死ぬことはとても簡単だった。いつでもできる。
ならば、このクソみたいな家族から逃げて逃げて、もし逃げ切れなくなったら、そのときは死ねばいいや。
そんな風に思った。
それから僕は、この一族からなんとかして逃げることを考えるようになった。
つづく
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