4月5日

 トイレットペーパーを落としたとかで、母がトイレのタオル掛けを壊した。本人は気付いておらず、私が発見したのだが、「疲れてるから週末に何とかする」と言いつつ、そのまま放置されている。トイレに行かない限り私も忘れているので、行った時、片棒が外れて不安定にぶら下がっているタオルを見てギョッとするのだ。多分、直す気はないし、直せないと思っている。娘が無職になったお陰で、母の家事負担は大分減っているはずなのだが、このところ「疲れた」と「眠たい」しか言わないので黙っている。昔から二言目には「あ~、しんどっ」である。本当にしんどいのであろうが、慮って娘は努力してきた。最近ではどこまで「しんどい」のか、読みかねる。
 休みの日に活動自体が遅くなることに文句は無い。働いていた時は、自分だって昼まで寝ていたクチだ。しかし毎日が日曜日な生活になってからは、戒めを込めて規則正しく生活していただけに、自分以外の影響で活動が不規則になると調子が狂うということに気付いた。朝の犬の散歩は母の仕事で、休日はこのところ、帰って来るのが昼前になるからだ。朝9時過ぎには犬連れで畑に行く習慣が付いている身としては、その時間に帰って来ない=午前中に畑に行く理由がない…ということになるので、暇を持て余す。結局だらだらしてしまって、起きていても布団から出ずにスマホなんかで遊んでしまうのだ。そして自己嫌悪に陥る。
 天気が良いので用事を済ませた後、昼食を終えて畑へ行くことに…。4月に入ったというのに、寒風吹き荒んで恐ろしく寒い。案の定、帰りたがらない犬を説得し切れず、一ヶ月ぶりに訪れた弟家族が着いた後、母が迎えに来てようやく家に辿り着けた。
 間もなく5ヶ月を迎える姪っ子が、今日はやたらと泣く。泣き方に悲壮感が加わり、赤ん坊が泣いているというより、子どもが立派に泣いている感じだ。人見知りが始まるには未だ早い気がするのだが…。
 聞き慣れない子どもの泣き声にビクビクする犬にも気を遣い、愉しいけれどぐったり疲れてしまう。滅多に来ない客が来ると、〝自分の時間〟というものが無くなってしまう。このところ仕事をしてもいないのに、家にいてもやたらと忙しいので、自由があるのかないのか判らなくなってくる。
 トイレのタオル掛けは、弟一家が来る前に買い物に出掛けて部品を買ってきた母の手で無事直された。というか、同じものがなく、別のものに付け替えられたが、元々付いていた物を取り外すのにすったもんだする。協力して何とか取り除けたものの、ネジの穴が二つ残り、壁がとても不細工に…。普通は客が来る前に直すべきではないかと思ったが、午前中、旧暦まで出していた雛人形を仕舞い、入れ替わりで五月人形を出す…という作業を、母は一人でやっていたのだと思い出した。計画性なく、思いつきで色々やる人なので、いつも動き過ぎては疲れ果てている。娘はいつも、『バランス悪いな…』と呆れるばかりだ。
 誤って姪っ子の写真を送ってしまったばっかりに、一ヶ月前に意気揚々と就職を決めたのに、昨日退職したという妹の〝悲劇のヒロイン病〟が再発。電話で大喧嘩になる。一難去ってはまた一難だ。
 夜、パソコンを開くと求職サイトから幾つかメールが届いていた。半分寝ながら確認するも、何度も同じところからオファーが来ているだけ。受けないのは、こちらの希望や条件とはまるで違うからなのに…。就活休みの休日だというのに、疲れ果ててしまった。


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