5月23日

 夏のような暑さと快晴。しかし朝から嫌なことが続く。
 週に一度、身体メンテナンスを目的に借りている稽古場が、いよいよ6月から再開する。しかし、コロナの関係で、借りている一時間の内、前後10分を、消毒のために明け渡せという電話がかかって来た。一時間の内、前後10分…。実質使えるのは40分ということになる。使用料にその分の減額はない。おかしくないか?
 一先ず6、7月というが、それ以降もどうなるかわからないのだとか。まる2ヶ月、稽古を断念したため、待望の再開の予定だったが、キャンセルしてもらうことにした。
 手続きは6月4日以降しか出来ないらしい。消毒期間が終了したら、連絡してもらえないか打診してみようと考えているが、こんなに不親切だと期待は出来ないな…と読んでいる。
 
 図書館の予約本を受け取れることになり、その受け取り予約を入れていたので朝一で出向く。
 帰る早々、予定通り犬を今年初のプールに入れ、家事や雑務を済ませると、昼を過ぎた。犬を自然乾燥の旅へ連れて行くついでに、畑仕事をして来た母から、ポストに届いた封書を渡される。先週応募した求人の書類選考が通らなかったという通知であった。
 正社員でないことが引っ掛かっていたものの、自分にとって適職に近いと踏んでいたので複雑な心境。面接にも進めない。これで何度目かと頭を抱える。60点、と思っていたので、100点は他にある、と自分に言い聞かせるが、前進しないことが心身どちらも萎えさせるのだという点に関し、否定は出来ない。
 応募書類は廃棄されると書いてあったが、結果を封書で送るなら、一緒に返送されても問題ないのでは?と疑問を持つ。履歴書だけなので、折り畳めば定型内で充分届くはず。廃棄されるとはいえ、個人情報の行方が見えないのは気持ちが悪い。返送されたところでコピーを取られていれば何の意味も無いが、応募者各自、間違えないように封筒に入れる手間を考えたら、一斉廃棄する方が楽…という考えなのであれば、良い気がしないのだった。  
 さて…次はいつ訪れるのか…。
 1ヶ月に100件応募して、全て書類選考で落とされた…なんて話をネットで見たこともあるが、どれに対しても数撃てど当たらなかったという事実より、1ヶ月に100件も、応募しようと思えるような求人があったことを羨ましく思った。私の就活のやり方…本当に正しいのかと、何度も悩む。自分が辿り着く場所がちゃんとあるのか、いつか今の状況を笑って思い出せる日がちゃんと来るのか、どんどん自信が無くなっていくのだった。
 
 夕方、職場の社長から貰ったというサツマイモの苗を持って、弟家族が来訪する。今月2度目。このところ、大体月1だったが、それでも多い方。秋に生まれた待望の第一子を、出来るだけ祖母に見せようという、彼なりの配慮であろう。健全に働き、結婚して人の親になり、生活を営んでいる彼のような生活を、私もしたかったと思う。その伴侶も、それなりの地位を得て、職場復帰を待たれている身。帰る場所がある…それが羨ましくて仕方ない。
例の如く、「仕事決まった?」と聞かれる。決まらない理由を、妥協できないからだと言った男だ。本人は気楽に仕事を楽しんでいるようだが、ほぼ週休1日であるその身を自分に置き換えた場合、私に耐え得るだけの体力があるとは思えなかった。私は、仕事だけしていれば良い立場ではない。
「ぎりぎりまで粘る。それで無理なら、一生バイトの覚悟」
 働き出せば、雇用形態に関わらず、仕事に向き合わざるを得なくなる自身の習性を認識しているからこそ、そう言う以外他無かった。
 ややこしいことになっている妹に対し、彼なりの意見を聞いて、母娘二人の凝り固まった考えが若干緩んだこと、今日は好く笑い、母親以外の身内に抱っこされて機嫌良く出来た姪っ子の存在に癒されたことは、この日の収穫。
 3日経っても排泄された気配の無いサランラップの居所が、今、一番の心配である。


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