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エッセイ

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2020年2月の記事一覧

一生ついていこうと改めて思った日

ちゃんと自らの判断に責任を持ち、理由を説明すること。その理由にも模索の跡と愛を感じられる。何かを決定する立場にある人は皆こうあってほしい。素晴らしい。「ごめんなさい」なんて言わなくていい。と思わせる言葉の力。「山に篭って集合してきます」と少し軽いユーモアで終わらせることで、ただ重いお知らせとしてではなく、業務連絡ではない自らの言葉として語ることに成功しているし、その心地いい軽さによって人に届く言葉

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サンバレーホテルのカレー

サンバレーホテルというカレー屋がおいしい。

スパイス一つ一つの香りがする。この食材に対して、このルーに対して、どのスパイスを立たせ、どのスパイスを控えめにし、どのスパイスを抜いて、どのスパイスを増やすか。そういう繊細な取捨選択の上に完成したそのカレーは口に入れてから飲み込み、舌に残る後味や、バスマティライスと合わさったときの豊潤さまで計算されているような、あまりに贅沢な味覚だ。

ぼくはカレーが

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ゲームばかりしてると馬鹿になる

何百年か前は小説なんて読むんじゃない、みっともない。と言われていたらしい。
「映画ばっか見てるとバカになる。」「マンガばっか読んでるとバカになる。」「テレビばっか見てるとバカになる。」
大人はいつだってバカにしているが、その子どもが大人になるころにはそれがリテラシーになってたりする。映画やマンガは日本を代表する文化の一つだし、居酒屋での会話を聞いていると、大人たちはテレビの話題で盛り上がり、有名人

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親戚との年越し

年末年始の休みを殆ど親戚や両親と過ごした。それは一般的には「普通」とされることなのかもしれないけれど、ぼくにとっては異常なことだった。ぼくは親戚と言うのがとても苦手だ。子どもの頃の親戚に対する印象は、「血が繋がっているというそれだけの理由で親しげにしてくる知らない人」だ。その感覚は今でも変わらず、奇妙だなと思っている。

親戚の集まりの中で、何だかいつも浮いている感じがする人がいた。それが叔母だ。

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