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あなたは2つの道具で物事を考えている(1)

こんにちは。Taiyoです。
今回の記事では我々のモノの考え方を考えていきましょう。


「速い思考」と「遅い思考」


いきなりですが下の画像を見てください。

この写真を見た時、この男性のひげが生えているのに気づくと同時に、彼が腹を立てていることに気付くでしょう。


それに加え、この男性の怒りの声をあげていて、これからどんな行動をするのかの予想が、何の努力も必要とせず自動的に頭に浮かんできただろう。


このようにあなたがモノを考えるとき、無意識に働いている思考のことを「速い思考」(以下システム1と呼ぶ)といわれる。
一方、意識的に頭を使わなければできない困難な知的活動に注意を向ける思考のことを「遅い思考」(以下システム2と呼ぶ)といわれる。


我々が選択や判断を行うプロセスは、この2つの思考によって説明できるのだ。


ここで速い思考と遅い思考の例をいくつか挙げておこう。


<速い思考の例>
・二つの物体でどちらが近くにあるかを見て取る。
・相手の口調から怒っていると判断する。
・友達があくびをしているのを見て、眠いのだろうと判断する。
・突然聞こえた叫び声の方向を感知する。


<遅い思考の例>
・友達の意見の矛盾点を探す。
・二種類のスマホの優劣を総合的に判断する。
・あるページに「。」が何回出てくるかを数える。
・自分の住所を誰かに教える。


システム2の働きは多種多様だが共通点がある。それは


「注意力」を要するということである。


システム2には、通常自動化されている記憶・注意の機能プログラミングして、システム1の働きを調整する能力が備わっている。


瞳孔は知的努力を敏感に示すバロメータである。


以下のような実験がある。


メトロノームの音に合わせて数桁の数字を録音し、被験者にリズムを守って一つ一つ復唱する、各桁の足し算を行うといったタスクをやってもらう。



この実験で分かったことは、瞳孔の大きさが、タスクの難易度に応じて一秒ごとに変化したということだ。具体的には、瞳孔の反応が逆Vの字型を描いた。


被験者が投じる努力は、読み上げられる数字が多くなっていくのにつれて増えていき、短時間で各桁を足し合わせるときに限界に達する。


その後は短期記憶の重荷を取り除くにつれてリラックスする。


瞳孔のデータはこの努力の投入量にピッタリ一致していたのであった。


また、偶然的に被験者が休憩中に会話しているとき、彼らの瞳孔は小さいままであり、それはすなわち、日常的な会話に対しては、努力を投入していないことを意味するのであった。


前章の言い方をすれば「遅い思考、努力の投入量、瞳孔の開き具合はそれぞれ対応関係がある」ということがいえるだろう。


瞳孔は、知的エネルギーの消費量を時々刻々と教えてくれるメーターといえる。






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