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何度でも読み返したいnote1

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。 100作品たまったので、何度でも読み返したいnote2を作りました。
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#暮らし

思い出の欠片を作ること。

子どもの頃の楽しかった記憶は大人になっても結構しっかりと残っているもので、だからこそ自分の子どもにも、たくさんの思い出の欠片を残してあげたいと昔から思っていた。 妊娠してからその思いはさらに強くなり、今年は数十年ぶりに実家の母と味噌作りをすることにした。 毎年冬になると味噌を仕込んでいた母。私はその光景も、ホクホクに煮上がった大豆のふくよかな香りもよく覚えている。大豆を小皿にわけてもらって母のそばでつまみ食いをするのが大好きだった。寒い冬の、温かい記憶だ。 だけどいつか

「丁寧な暮らし」は、武器でも敵でもなかった

 今更かもしれないけど、最近ふと考えることがあった。「丁寧な暮らし」という言葉。これをまるっきりポジティブなイメージで捉えている人って、今、どのくらいいるんだろう?  どの辺りから流行り出したライフスタイルなのか詳しくは知らないけれど、わたしが最初に認識したのは5年か6年くらい前だったと思う。雑誌やSNSで見かける、おしゃれな物に囲まれた生活空間や、落ち着いてゆったりした時間の流れ。いいなあ、と憧れていた。いつかわたしもこう暮らしたい、と思ったりもしていた。  何かにつけ

人生7周目らしい私と、30周目くらいの彼。

会うと不思議な気持ちになる人がいる。 彼とは昔共通の友人を通じて知り合った。 10才以上年上の彼は、映像やデザインの仕事をしていて、音楽でもプレイヤーとして活躍する、字面だけで書くととてもキラキラした世界の人だ。 でも実際は、キラキラしたオーラはいい意味であまりなく、見かけると気軽に話しかけてくれたり、ずっと昔から知っている関係の深い友人のようにふいっと芯をついた話をふってきたりする。 真剣な話をしても圧迫感のような重い雰囲気はなく、心地よく流れる音楽のようにゆらゆらと

井の頭公園でボートに乗りながら「今の自分」について考える。

とある週末の話。 地元に帰ってしまった大学時代の友人が出張がてら東京に来ているとのことで、かなり久しぶりに何人かで集まって食事をした。 食事をしたなんて綺麗に言っているが、学生時代によくアホのように飲んでいたメンツ、いわゆる飲み会である。 皆仕事終わりで集まったのが遅かった上、ここしばらく夜遅くまで人と思う存分飲むなんてことはできなかった世の中。 それがやっといつも通りに戻り始めてきて、数年ぶりに再会し積もる話に華を咲かせていたら、いつの間にか皆、終電を逃してしまっていた。