双極性障害患者が生活保護を停止してから今までのこと

炎上続きのnoteを嫌ってこちらの更新を避けていたんだけど、そういう誰かが不買運動しているから私もそうしなきゃみたいなTwitter上の同調圧力がどうでもよくなってしまって、てきとーに書かないでいた期間のことをまとめる。

アロマセラピストになる

ライターとして飯を食うのを諦めて、色々模索した結果、アロマセラピストとして生計を立てていた。最初は週に３回、２時間のみの研修でも足が棒になって、帰りの山手線で降りられずにぐるぐるするという体たらくだったが、だんだん体力もついてきて、クローズでありながら半年は勤めることができた。人の体を直接触ってこねる仕事は大好きだったけど、オープン作業の時給が出ないとか雇用保険がないとか、オーナーの初老男性の人権意識が終わってて（車椅子の人は生きている価値がないと発言したり、安倍さんは何も悪いことをしていないのに殺されたって言ったり）ハラスメント気質だとか、そういうところに嫌気が差して辞めた。この時期に生活保護は停止している。自分は労基のことなど何も知らないと気づいた。

派遣社員

生活保護は停止してしまっていたので、自分で稼ぐ必要があった。セラピストは本当に楽しかったからすぐ転職すればよかったと今なら思うんだけど、店選びを慎重にしたいと考え、繋ぎで派遣社員になることにした。コロナの療養所の生活支援とか、非課税世帯の給付金コールセンターなどいろいろやった。なんだかんだ健康であって週５で働けるなら派遣でも生きていくには問題のない額を稼げることを知った。私にとってはコールセンターはやりがいとかは全くなくて、ただ日銭を稼げればいいと思っていた仕事だったけど、労働ができるようになればなるほど自分の中の社会と折り合いがつかなかった愛おしいこだわりとかいちいち立ち止まって咀嚼するように味わうとか考えるとか、そういう過去にアイデンティティとして大切にしていたようなものが失われていくのを感じていた。社会に漂白されて、ただ働いて、家事やって、遊んで、それだけなのに別に表立って支障はないことを知り、今まで私は何を苦しんでいたんだろうと思った。ある程度のお金が懐に入るだけで気持ちは安定し、派遣をずっと続けるのでもいいかあ、なんて考えてた。読書をしたり何かを書いたり全然できなくなっていた。完全に社会に丸め込まれてしまって牙を抜かれたような感覚。自分のことを残念だと思うのと同時に、働いているだけで丸儲けというか、やっと普通の社会人くらいの月給を手にしていることに自己肯定感が上がっていた。でも、週５で働ける健常者の人生って本当に楽すぎると思って、行き場のない怒りに襲われていた。何年も働くことができなかった自分がかわいそうだった。転職活動はしたりしなかったり。やっぱり覚えた蜜の味が忘れられなかったから、セラピストの職は探していたけど、派遣社員の方がぶっちゃけ給料いいしだいたいの店で賞与はないし、なんて結構消極的になりながらだったからあんまり進捗もよくなかった。

転職活動

４番目くらいのコールセンターがマニュアル遵守を徹底しているところで、肌に合わなすぎて、やっと転職活動に熱が入った。ずっと派遣を続けていくのもキャリアプランとして賢くないし、せっかく働けるくらいに体調が回復したのだったらやりがいや成長など、そういうあからさまにポジティブな方向に向かっていきたい気持ちが強くなった。体作りとダイエットを兼ねて毎日筋トレを始めたのもこの頃。自分の中の自己啓発とかネオリベ的なものへの親和性が高くなってきて、それに対してもあっけらかんとした気持ちでいた。だって耳障りよくて気持ちいじゃん。もっと気持ちよくなりたいーと快楽を求めすぎた結果、うっかり体育会系の接骨院に就職してしまい、久しぶりに大きく体調を壊し、今主治医から３ヶ月仕事しないでって言われたところです。サービス残業が当たり前で長時間拘束、休憩時間にミーティングが週３、月１の勉強会は休日の午前中にやる、たぶん不正請求して保険診療をしている…など問題点は山積みで、３週間くらいしか持たなかった。辞めたお店も労基的な問題があったため、自分の学習能力のなさを呪った。

ずっと働けなかったから、働けるようになったのが嬉しくて、今までの自分の過去を封印したくて、健康という分野に進んでしまったのだと思う。心身ともに不健康極まりないのが今までの精神障害者としての自分で、元気になればなるほど病気が酷かった時の記憶は薄れていって、閉鎖病棟に入院したことがあるなんて信じられないなあくらいまで思ってた。健康なのは間違いなく喜ばしいことなのだが、健康を求めるあまり自分の過去を否定したり忘れてしまうのは私の精神にとっては不健康で、強迫観念的に回復を求めている自分がまだいることを自覚した。

休職中です

今は主治医から安めと言われているので、３ヶ月はゆっくりしようと思っている。自分に合った働き方を実践したい。週５で勤め人になるより、パラレルワークというか、さまざまな仕事を組み合わせて稼ぐやり方がないか探している。生活保護ぶりに働かなくていい時間ができたので、身辺整理や書き物をする時間を多く取ろうと思っている。