台湾有事はいつか?
この問題は、最早中国と台湾だけの問題にとどまらず全世界を巻き込んだ今世紀最大の有事だというのに、国内メディアは一部を除き殆ど報道しませんね。
日本は、近隣国であり米国と安保条約を締結していることもあり「対岸の火事」と片付けることはできないし、尤も有事が勃発したら「ガソリン五円高くなった」とか言ってられない状況は必至なのに殆どの人が無関心だというのはいかがなものなんでしょうか?
1 日本の周辺で起きている様々な予兆
日本が総選挙で浮かれている隙に中露は艦隊を編成して津軽海峡を通過し日本海から太平洋へ移動、その後大隅半島沖を通過して日本海に戻るという「日本一周」をやってのけたのに日本のメディアはあまり取り上げませんでしたね。
この動向のみならず、
▶︎ 台湾外交部による欧州での積極的な外交活動に対して中国が非難
▶︎国連をはじめとする国際機関への台湾の参加(これは1970年代には台湾が参加していた事実があるので正確には復帰)を呼びかける米国主導の各国の動き
▶︎米国主導によるAUKUSやクワッドなどの中国包囲網の構築
▶︎中国人民解放軍による台湾周辺での揚陸艇の訓練
などなど様々な動きが出てきているのに、一部を除く日本のメディアは殆ど無視を決め込んでいます。
大きな政変、事件、戦争などが起きる前には必ず「予兆」がありました。
台湾有事は突然やってくるのではなく、過去に発生した事変などと同様日々の変化や予兆の積み重ねの集大成として発生するものと思われます。
この「予兆」をいかに読み取るか?が重要なポイントになってきますね。
2 台湾有事がもたらす日本への影響
台湾海峡が封鎖されることが懸念されることから
▶︎ 原油輸送が滞り、或いは遅延するため日本でのガソリン価格が暴騰
▶︎原油のみならず、サプライチェーンが寸断されるため物流が滞る
▶︎ 日本を敵国と見做す中国から敵地攻撃を受ける危険性(航空自衛隊基地、在日米軍基地など)
▶︎ ウルトラC的懸念として、尖閣諸島をどさくさ紛れに中国が軍事占拠
▶︎ 北朝鮮と中国連携によるゲリラ的ミサイル発射威嚇
▶︎ 円、株の暴落
などが思いつく日本への影響でしょうか。
3 台湾有事は「あるかないか」ではなく「いつなのか?」
「そんなことあるかい」といった否定バイアスや、起きるとしても何か遠い未来のことのような錯覚に陥りがちですが、実際時間の猶予はあまりないものと思われます。キーワードは2027年、2024年、北京冬季五輪です。
▶︎ 2027年 これは中国人民解放軍建軍100周年の年です。米国情報筋や軍事関係者は、遅くともこの年までに台湾有事はあるだろうと予測しています
▶︎2024年 これは次期台湾総統選挙です。現在でも台湾内には親中分子が多数居住して台湾内部からの撹乱を狙っているようですが、総統選挙で親中派の誰かが当選した暁には台湾内部から中国への併合を画策し「香港の二の舞」、習近平のいう流血の度合いが戦争とは格段に小さい「平和的」解決に至る懸念があります
▶︎ 北京冬季五輪後 北京オリンピックまでは中国が身動きが取れないものと思われますが、その「あと」は予想がつかないスピードでこの問題が進行する懸念があります
いずれにしても、「遅くとも2027年までには」「2027年は最終的ライン」との認識が必要なのではないでしょうか?
4 もう誰にも止められない
習近平は、先の6中全会にて自身の位置付けを毛沢東と並ぶ存在として中国人民に印象付けるとともに台湾は必ず併合すると宣言しています。彼の任期は来年で2期10年が終わるはずなのですが、おそらくそうはならないでしょう。
つまり、その後も彼が権力の座に居座り続けやがては宣言通りの、毛沢東や鄧小平すらなし得なかった「偉業」に着手することは間違いないと思われます。
そうなれば、中国共産党(中国に限らず日本でもそうですが)の組織原則から言って一党独裁、トップによる独裁政治が原則ですからこの「偉業」を止めることができるのは習近平彼自身、他には皆無ということですよね?
5 私たちはどうしたらいいの?
刻々と、しかも確実に近づこうとする台湾有事に対して私たちはどうしたらいいのでしょうか?
今私たちにできることはなんなのでしょうか?
それぞれの立場で今準備できること、これから一週間先までにやっておくべきこと、1ヶ月先は?という段階的に「有事」への備えが必要だと考えます。
この問題は、クラブハウスにて私が主宰する「インド太平洋における平和・安定と日本の役割について」というルームで毎週水曜日午後8時から米国人、中国人、インド人のパネラーと共に世界各国の有力紙を題材にそれぞれがそれぞれの立場で「いつなのか?」を演繹・提供しています。
この問題についてご興味のある方は、ぜひクラブハウスのルームにお立ち寄りください。なんらかのヒントがあるかもしれません。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。