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深夜2時の宇宙船

昼寝が好きだ、と思う。
昼じゃなくても
電気を消さないような、ああ少し眠っちゃおうかな、という怠惰なやつ。

目覚めはいつも悪くて、のそりと起き上がる。
すっかり遅い時間になっちゃった。
深夜を、わたしは愛している。

やることをなにもやっていないなあ、と思うことに絶望することもある。
うまいこと絶望がどこかに旅立って、何もしない日もある。
お風呂だけ、エッセイだけ、洗い物だけ、ピアノだけ
ほんとうにひとつだけ片付ける日もあれば、
ひとつに手を付けると、次に進めるときもある。

今日は、お風呂とエッセイだけ。

深夜2時を愛している。
2時から、じわりと深くなる夜。
部屋の明かりが、妙にあたたかくなる時間。
明かりはわたしを、孤独から、外界から、守ってくれる。
ここは安全だ。
そんなふうに思うのは、いつも夜。
深い夜。
この部屋ごと、小さな宇宙を漂っているような、そんな錯覚に陥る。


夜のうちに眠らなきゃ、と焦ることも在るけれど
そのまま向かえる朝4時も、どうしたって嫌いになれない。

少しずつ身軽に、おとなになったのだと思う。
いらないものを捨てて、理想に近づくように
わたしは努めた。
日常に不満も不安もあるけれど、すっきりと生きやすい。

怠惰なもののいくつかは、捨てないと決めている。
わたしは好きな時間にごはんを食べて、一日の食事の回数は決めていない。
朝は、目覚ましより早く起きない。
昼寝もする。
たまには、プリングルスも板チョコも丸呑みする。
一日中パジャマで過ごす。
コートでコンタクトのまま眠る。

そして、深夜を愛している。

どうせたくさん眠ったって、朝は眠いんだ。
だからときどき夜更かしして、なんでもない時間を過ごす。
朝も昼も嫌いじゃないのに
わたしの魂はいつも、夜に在る気がする。

この感覚は、捨てられない。

生きやすさって、美しさじゃなくても良い。
世界の当たり前が、わたしにとっての適切じゃなくても良い。

わたしは今日も、深夜2時を漂っている。



【photo】 amano yasuhiro
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