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深夜のポテトチップス

言葉はそこあるようで、溢れない

絞り出すこともできるけれど
いま、それをすべきかわからない。

絞り出すことだって、悪くない。
だいたいこんなに毎日書いてるんだから、絞り出す日だってたくさんある。
ただ、そうすべきかどうかが、わからないだけ。

わたしはパソコンの前にしばらく座って
それにも飽きて、ふらふらと家中を徘徊し始めた。
こういうときは、煙草でも吸うのがいい。
それから考えよう。


バリバリ、と音がした。


「今日はもう、ゲームをやって寝る」と言った同居人は、宣言通りテレビ画面に向かっていた。
バリバリ、の音は、同居人が食べているポテトチップスの音だった。

わたしは、黙って隣に座って、ポテトチップスを食べた。
同居人は、うすしおとか、そういう地味な味が好きだと言っていた気がしたけれど
今日のは、コンソメパンチだった。
わたしは、そういう身体に悪そうな味のほうが好きだ。
バリバリ
一枚、二枚と食べてゆく。
そうして、口いっぱいにポテトチップスを放り込んだところで、満足した。
お行儀悪く、バリバリ、もぐもぐ。


いま、満ち足りた気持ちで、パソコンの前に座っている。

いま、起こった出来事を綴っているだけなのに
なんだか、言葉が溢れてくる。
満ち足りた気持ちで、言葉を拾い集めている。



深夜に、ポテトチップスが必要なこともある。

同居人は「お腹が空いたら何か作るよ」と言ってくれた。
ポテトチップスをかじるより、栄養管理されたごはんを食べるほうが、いいのかもしれない。

それでも、

深夜に、ポテトチップスが必要なことがある。
身体に悪い味が、必要なこともある。

何が、わたしを動かすのか

良いものばかり、が必要なわけではない。
床でふて寝する日も、
板チョコを丸呑みする日も
寝そべってフィナンシェを食べる夜も

わたしにはきっと、必要なのだと思う。




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