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君に伝えたい百の言葉

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あなたに伝えたい言葉が残っている。見失っても、百個積んだ先に何かがあるかもしれない。光を追う者のエッセイ集
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#言葉

咲かない花も、咲けない花も

このあいだ、花を買った。 あの日から、”ダリアの首”について考えている。 あるいは、”ダリアの首を落とせるか”について ロスレスブーケっていう、めちゃくちゃお得に買えるお花。 fowerってアプリから買えるので試して欲しい。 このお花がお安い理由っていうのがいくつかあって、 ひとつは、お花屋さんを経由していないこと。 このお花たちは「花屋で売られる、商品になる」という運命を回避しているので、何が起きているかというと、葉っぱが多い。バラにはトゲがある。 つまり、手入れの必

寂しいだけ、のあなたへ

なくしたものを数えたけど 形が変わっただけ 呼ばれた気がして 少し寂しいだけ 「寂しいだけ」という歌詞を書いたような気がする。 と思って調べてみたら、同じ曲の中で、2度も「〜〜だけ」という表現を使っていた。 好きな言い回し、なんだと思う。 「だけ」は、 「笑」に似ている。 なんて言ったら怒られるだろうか。 「笑」のほうが、やさしい表現かもしれない。とすら思う。 「ウケる」という感情または、「怒ってないよ」とか「苦笑している」とか とにかく、自分の言葉や表現に、悪意や

午前3時のひとりごと

最近は、言葉について考えている。 そもそも、 わざわざ発信なんてしなくても 書かなくても、生きていけるのに。 不思議だ。 それでも、 それだからか、 ひとはひとりでは、生きていけないと云う。 Dr.STONEという物語は、 全人類が石化し、文明も荒廃した世界でたったひとりの男が目覚めるところから始まる。 最初に目覚めた賢い男は、言葉通りの丸裸から服を作り、住処を作り、食べ物を確保した。 そこまでひとりで生きてきた彼だけど、ひとりで”生き続けること”はできなかった。 彼

どうせ、めんどくさい人生だから

言えなかった。 人に頼む、というのは妙に面倒だったりする。 不思議だ。頼み事は自分の手から離れてゆくから、わたしは身軽になるはずなのに。 「頼んだ結果、良いものが返ってくることを願う」と、なかなか大変だ。 その先にはずいぶん面倒な説明と、大きな落胆が待っているかもしれない。 「忙しそうだしな」と思うこともある。 嫌な顔をされてしまうかもしれない、と思う。 最後はいつもこうだ。「自分でできるから」 そうして、唇はいつもの言葉を紡ぐ。 「自分でやったほうが早いし」 その

やさしさをまとって

「へえ、」 わたしはひとり、つぶやいた。 Amazonで買い物をするときは、クレジットカード会社のホームページを経由して、「ポイント2倍」の恩恵を授かっていたのだけれど、その優待がなくなったみたい。 残念だけど、仕方がない。 わたしがいますべきことは、失われた事実を悲しむよりも、笑って「他に使えそうなモノはないかなあ」と探すことだった。 わたしが普段使うサイトで、ポイント2倍になるもの。 調べてみたら、「ユニクロ」の文字を見つけた。 なるほど、これなら使うかもしれない。

境界線

上辺を繕っている そんな錯覚に、落ちてゆく。 最近の、自分の言葉を見返して、ふいにそう感じてしまった。 フェイクこそあっても、嘘を書くことはない。 でもなんだか、安っぽい気がする。 実際に安くなってしまったのかもしれない。 それはわたしの、気丈さやが招いた結果のような気がしている。 何があっても、それなりに自分を保ってゆける。 家の外ではきちんと笑っていられるし、毎日言葉を紡いでいる。 不穏な空気が漂えば、落下する前にベッドに潜り込む。 「しなやかさを手に入れたね」と、

ことばにひそむ

「あの、愚痴になっちゃうかもしれないんですけど」 わたしは確かにそう、前置きしたと思う。 会社のお昼休み。 休憩スペースで、わたしたちはふたり。 他の人はみんな、お昼に行ったり、会議だったりで、オフィスには誰もいなかった。 休憩時間は不可侵、だと基本的には思っている。 だから、基本的にはそんなに話しかけたりしないのだけれど、今日はなんだか、それが許されるような、そんな瞬間はふいに訪れた。 わたしは尋ねられた質問にいくつか答えたあと、前置きをして語りだした。 最近、こんな

「なんかいい」って、すごくいいよね。

久し振りに、友達とコーヒーを飲んだ。 サンマルクの、カウンター席に並んで 呼び出すときも、呼び出されるときも、気まぐれだった。 大半は「そろそろかな」というタイミングで、用事がないときのほうが多い。 わたしたちはふたりで、なんでもないなにか、を話す時間を設ける。 それは、Twitterのつぶやきみたいだった。 思い出したことを「そういえばさ」と言う。 相手の話を聞いて、「そういえばさ」と思い出す。 ひとつの話題はあんまり長く続かなくて、わたしたちはぽつぽつと語り続ける。

教えを請うこと

昨晩眠る前、わたしはどきどきしていた。 5歳さん主催のライティング講座「ぶんしょう舎」に参加させていただいている。 書くことって、 日本語については子供の頃に教わったけど いま、「誰かに伝えるための文章」って、ほんとうに独学だから。 第一線で活躍する人に教えてもらいたい!と思って、参加を決めた。 最近、stand.fmで「何事も挑戦してよかったよ〜」なんて話しているわたしだけど この講座についていけるかな、とか しっかり学べるかな、とか 不安はあってというか、不安しかな

ぴゃーっと書けたら、

noteの連続更新が180日を越えた。 今までは、更新ボタンを押すとぴょこんと現れるこの通知の、数字が増えているのをぼんやりと見ているだけだった。 180日が、約半年になることを知って、「なんだかすごいなあ」と やっぱり、ぼんやりと思っていた。 無職になる直前から始めた、noteの毎日更新。 もうすぐ無職になって半年なのか、とか、もう半年か、とか、そういう焦りもあんまりなかった。 でも、半年ってすごいなあ。 わたしはやっぱり、ぼんやりしている。 ぼんやりしながら、漂うよ

自由の枠組み

「調子悪いの?」 「なんか、イライラしてる?」 同居人が最近、鋭くなってきた。 いままでは、「なんかイライラしちゃってごめんね」とあとから謝ると「そうだったの?」「全然気づかなかった」と返ってきていた。 最近は、なんだか鋭い。 わたしの態度が悪化した、とも考えられるけれど たぶん、鋭くなってきたんだと思う。 * 思い返してみれば、「冗談とわかっていることに、悲しくなる」ということが多い。 同居人は嘘を吐かない。 だから、冗談であっても、それは真実だ。 「ばかじゃん

この約束は、最後まで果たされなければいい

最近、ふたりの友達と約束をした。 たまたまどちらも、「そうなったときは、叱るよ」という内容だった。 ひとりは、 「他人への愛や、敬う心を忘れてしまったような発言をしたとき。  お金の使い方が、本人自身の常識範疇を越えるとき。」 ひとりは、 「次、同じ出来事が起きたときに、今回と同じ返答をしてしまったとき。」 そのときは、わたしが叱ってあげるね。 だから、いまは大丈夫。 いまの君が大事にしているものを、そのまま大事にしていて大丈夫。 間違えてしまったときには、わたしが叱

あなたと、たったひとりの旅人

煙草を吸う。 家にいるときは、本数が増える。 一段落したときに、煙草に火をつける。 洗い物をしたあと、洗濯物をしたあと、記事を書いたあと、 それから、寝起きも。 記事を書く前にも、煙草を吸う。 今日は何を書こうかなあ、と考える。 書くことが決まっているときもあれば、メモを見てネタを拾いに行くこともある。 今日に関して言えば、「そういえば最近のメモは全部使っちゃったところだ」と、途方にくれていた。 途方に暮れながら、煙草を吸う。 隣で、同居人も煙草を吸っている。 一緒にや

言葉の線引き

「で、マツムラからの電話なんだったの?」 同居人との冷戦が終わり、共通の友人からかかってきた電話について、突っ込まれた。 一緒に住んでいる、空間はそんなに仕切られていない暮らしなので、電話をするときには一声かけるようにしている。 そうじゃないと、誰に話しかけているのか、よくわからなくなるからだ。 キッチンから声をかけられている、と思ったら、知らないあいだに同居人が電話をしていた、話しかけている相手がわたしではなかった。ということがあってから、このルールを徹底している。