学習意欲を高める効果的な教師のメッセージとは。
またお会いしましたね!
「土曜日も学校があったらいいのにな!」
と、つぶやいてくれた子どものおかげで一週間の疲れがとれたJUNです。
やはり、教師という職業は目の前の子どもたちこそが存在意義です。「何をいまさら当たり前のことを」と言われそうですが、子どもたちの発言や態度に救われていることを実感した今日この頃。返報性の原理に心底やられてしまいました。
先日はから返報性の原理を話題にしています。というか、読み直してみると「人を動かすには付箋が最強!」という記事になっていますね。しかし、今日も懲りずに「付箋最強説」を説きたいと思います。
▶フィードバックによる学習効果の向上。
ニューイングランド郊外のミドル・スクールでコーエンとジュリオ・ガルシアによる実験が行われました。その内容は、添削された作文に手書きの付箋をつけてフィードバックするというものです。付箋には、次のような違いがありました。
①「作文に対するフィードバックとしてコメントを書き込みました。」
②「作文にコメントを書き込んだのは、きみに期待しているからです。」
というそれぞれのメッセージが書き込まれました。
違いをおさらいすると、①は、形式的なメッセージであり、②は、期待を伝えるメッセージです。そして、これらを受け取った子どもたちが、「作文をよりよくするために書き直すかどうか」を調査したのです。
そして、分かったことは、もちろん、
「期待を込めたメッセージを受け取った子どもたちの方が、書き直す確率が高い。」
ということです。みなさんの期待通りだったことでしょう! やはり、教師が「あなたに期待している!」という思いを伝えることが、子どもたちのモチベーションにも影響を与えるのです。
これまでは、実験の結果をざっくりとお伝えしました。もう少し具体的に書くと、この実験では、
「普段から学習に対してどのようなモチベーションをもっているかによって結果が大きく違ってくる。」
ことも分かっています。
どういうことかというと、
「『ステレオタイプの脅威』にも影響を与えることができる。」
ということが示唆されたのです。
詳しくは、「私たちは子どもに何ができるのか~非認知能力を育み、格差に挑む~」著:ポール・タフ 訳:高山 真由美 を読んでいただきたいのですが、簡単に言うと、
「家庭環境などにより、『勉強なんてできない』『勉強なんて必要ない』と思っている子どもたちにこそ良い結果が出た。」
ということが言えるのです。
自分のことを「勉強ができない」と責めてしまう気持ちになっている子どもの方が、教師からの期待をかけられた付箋を見て、「作文を書き直す」という行動をとりやすい。
ともいえるでしょう。
なんと教師にとって希望となる結果なのでしょう!!
▶学習に生かす方法。
これらの実験から、僕たち教師が普段の学習ですべきことが見えてきました。前回の記事とも合わせると、どうやらノートに直接メッセージを書き込むよりも、付箋に書き込むという一手間を書けた方が効果がアップするということが言えます。
よく考えてみると、学習に対して消極的な子どものノートにメッセージを書き込んだところで、見返すかどうか微妙ですよね。意欲的な子どもは、机の上に返却されたノートを開き、僕が記入したメッセージを嬉しそうに読む姿を見ることができます!
しかし、学習に対して関心が高くない子どもは、ノートが返却されたとしても確認することこともなくランドセル行きとなっているじゃないですか。やはり、目立つ付箋を「これでもか!」と貼り付けて、「期待してるぞ!」と堂々と伝えてあげようではありませんか。
▶まとめ。
本記事では、「やはり、学習のフィードバックも付箋が最強!」という内容になってしまいました。これまでの教師人生の中で、子どものノートへのメッセージは書いてきました! そして、「伝わっている!」と思っていました。しかし、甘かったです。これからの時代は付箋です。付箋を使いこなし、教師からのメッセージを確実に伝えていきましょう。メッセージは相手に読まれて初めて効果を発揮するのですから。
ちなみに、言葉がけで称賛するのももちろん効果的ですが、テキストで素晴らしさを伝えることも、言葉がけ以上の効果があることも知られています。これからは、メッセージが伝わってほしい相手にこそ伝わるようにすることを意識して学習効果を高めていきましょう!!
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