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できる教師のリーダー像。

昔から「教師は教室のリーダーである。」と言われます。

「教室の主役は子ども。」と散々主張してきた僕ですが、

「リーダーとして振る舞わなければならないのは誰か。」

と問われたら、

「最初は、教師である。」

と言わざるをえません。

では、教師はリーダーとして、どのような役割を任されているのでしょうか。今日は、そんな話題とさせていただきます。

▶教師に求められるリーダー像とは。

子育ての大誤解 重要なのは親じゃない 新版 下」著:ジュディス リッチ ハリス(ハヤカワ文庫NF)によると、

「リーダーは、多くの人に影響を与え、進むべき方向を示す人。」

とされています。

やはり、学級という小集団を考えたときに先頭に立って方向性を示すのは最初は教師の仕事でしょう。

しかし、リーダーを未来永劫引き受けている必要はありません。

自分に続くリーダーを子どもの中から育ててこそ、教師の仕事を完遂することになるからです。

教師の意思を受け継ぐリーダー育成に臨む上で意識すべきことは、

「40人全員をリーダーとする必要はない。」

ということです。

「学級内の過半数または、影響力のある子どもたちを中心。」

として、学級経営方針を伝えるだけて十分なのです。

あとは、教師から受け継がれた学級経営方針を子どもたちがどのように解釈し、どのように考えて実態と擦り合わせながら進めていくのか見守りましょう。

きっと、教師が一人で考え、汗水たらして実践するよりもより良い結果へ導いてくれるはずです!

▶リーダーの条件とは。

さて、前提を理解していただいた上で早速具体的なリーダー像を紹介したいと思います。

その条件として、

①「安心感」を醸しだせる。
②「私」を「われわれ」にできる。

③「われわれ」をスペシャルにする。

のこの二つを実行できてこそ優れたリーダーといえます。

では、詳しく解説していきますね。

①「安心感」を醸しだせる。

これは、新しい学級がスタートしたら教師としてまず取りかからなくてはいけない仕事です。

何をねらっているかというと、

「子どもたちに『所属感』をもたせる。」

ということですね。

「自分の学級は○年○組である!」

と自信をもって主張できるようになったら、その子にとって新しい学級は、「自分の所属する学級」として認知されたということでしょう。

そのためには、

「『安心感』のある居場所づくり。」

を目指すことが大切です。

具体的に言うと、

・先生が、自分の考えを聞いてくれる。
・友達が、自分を気にかけてくれる。
・表現したことをみんなが認めてくれる。

などなど、あげるときりがありません。

簡単に言うと、

「『自分』を『みんな』が受けいれてくれる。」

という「安心感」を実感できたとき、学校内での居場所が完成したと言えるでしょう。

まずは、子どもたちが「自分の学級」を堂々と主張できるようになることを目指してください。

②「私」を「われわれ」にできる。

さて、「所属感」をもつことができたところで、ここからは、

「学級の特色を出そう!」

という内容にうつっていきます。

なぜ特色を出す必要があるかというと、

「他の学級と違った特色があるから、『私の学級』が『われわれの学級』になる。」

からです。

どういうことかというと、子どもたちの世間話の中にそのヒントが隠されています。

違う学級の子ども同士で話をしているとき、

「僕のクラスってさ・・・。」

という子どもがいれば、

「僕たちの学級ってね・・・。」

と話を始める子どももいます。

どちらも「自分の学級紹介」をしているのですが、それぞれが紹介しようとしている背景が違うのがお分かりでしょうか。

「僕の」になると、もちろん「僕のクラス」なのですが、「僕たちの」という言葉からは、「僕と、同じクラスのみんな」という意識が垣間見えますよね。

ここが大事なのです!

まさに、「所属感」があふれ出しているではありませんか!

後者の方が、「自分の学級に対する所属感の深さ」を感じ取ることができますよね。できる教師は、子どもたちに「僕たちの学級」という意識をもたせることができるのです!

③「われわれ」をスペシャルにする。

では、「僕たちの」と主張したくなるような学級をつくるには、どのような学級経営をする必要があるのかというと、ずばり!

「学級独自の取り組みによる特別感。」

が、必要不可欠です。

「僕たちの学級と言えば〇〇に取り組んだクラス。」

というように、他の学級とは違った活動に大して「みんな」で取り組んでいるという「特別感」が、「僕たちのクラス」という「所属感の深さ」につながるのです!

ただし、これはもろ刃の剣として恐れられている側面もあります。

やはり「特別感」は、「比較」から生まれてしまうからです。

「特別感」だけを追い求めて学年を軽視してはいけませんし、「特別感」を追い求めるがあまり、他学級を否定してはいけません。

大切なのは、

「それぞれの学級に様々な特徴があっていいね!」

という子どもたちが受け入れる心を育てていかなければなりません。

「自分の学級さえ面白ければいい!」

とか、

「ほかの学級より特別なことをしているからいい!」

という価値観では決してうまくいかないのです。

だからこそ、教師のバランス感覚が必要不可欠なのです!

逆に間違っている価値観は、

「学年で特別感を出さないために、足並みを揃えよう。」

という経営方針に偏りすぎるのも危険です。

足並みを揃えるのは、大人の事情であるからです。

例年のお決まりではない「スペシャルな体験」を経験した仲間だからこそ、「われわれの学級」として育っていくのです!

▶まとめ。

本記事では、「できる教師は、われわれ学級をつくる。」という内容を書かせていただきました。

いわゆる「普通」に過ごしていても「特別」を目指していても子どもたちにとっては、かけがえのない一年間です。

教師として、子どもたちに資質・能力をつけるということは大前提として、

「この一年間を特別なものとして残してもらいたい。」

「この一年間を大満足で終えてほしい。」

という願いも、教師として抱いてもよい望みなのではないかと思うのです!

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