「勉強が苦手。」という子どもたちが囚われがちな「思い込み」とは。
学級目標の話題になると、いつももやもやするJUNです。
個人の目標なら分かるんです。しかし、学級全員が共通して目指していこうという目標の運用は本当に難しい。教師の指導性が強めに出ないかなぁなんて気にしながら一応決めています。
学級目標にいちゃもんを付けながら、僕が僕の学級でめちゃくちゃ強く押し出しているルールがあります。それは、
「頑張ればできるようになる!」
という気持ちで学習に臨むことです!!
これだけは、守ってもらわないと話になりません。その変わり、他のルール的なものはほとんどありません。たぶん、他の教師からすれば「どうかしてるぜ!」と思われるくらいルールがないのですが、それでも子どもたちはみんなが暮らしやすい学級をつくってくれているのですから、子どもたちが素晴らしいという結論に達します。
本日は、そんな話題。
いや、子どもたちが素晴らしいという話題ではないんです。別のやつ。なぜ、「頑張ればできる。」というスタンスを打ち出しているのかという内容です。
学級経営のみならず、子育てにもかなり大きな影響を与えることになりますので、心して読んでくださいね!
▶基本的なマインドセット。
過去記事でも、何度も話題にしているので、あなたも、
「学習に対するマインドセットが成績アップにつながる。」
ということはご存じでしょう。ざっくり説明すると、
「『自分の能力は生まれつき決まっている』と思っている人より、『頑張ればレベルアップできる』と思っている人の方が、学習効果が高い。」
ということは、もう自明の理ですよね。#マインドセット学級経営
もちろん、知能の半分は遺伝です。しかし、残りの半分は環境要因と言われていますので、自分の頑張り次第で変えられるというわけです。
だらこそ、「できるようになる!」というスタンスで我が学級に飛び込んできてくれさえすれば、「できるようになる!」ということです。テストの点数が全てと言う訳ではありませんが、GLS(僕が運営する無料個人塾)で学んだお子さんも、「算数が苦手」と言いながら、学校のテストで見事100点を取ることができました。
というように、「自分の可能性を信じて前向きに挑戦する姿勢」が大切だということが言えそうです。しかし、高学年ともなると、ある巨大な敵によりこのマインドセットが打ち砕かれてしまう傾向にあるのです。
▶「思い込み」という巨大な敵。
そうです。その巨大な敵というのは、「思い込み」です。そして、それを作り出しているのは、まさに、
「自分自身。」
だということが、厄介なところです。いくら教師や友達が「できるようになるよ!」と心からメッセージを送ったとしても、信じてくれない。子どもによっては、その優しい言葉によって身を切られてしまうほど、自信を失っている場合もあります。
そんな子どもたちが共通してもっているのは、次のような「思い込み」です。
このような間違った捉えに囚われてしまっているのです。
もしも、あなたが接しているお子様に、このような考え方をしている子がいましたら、ただちに「違う!」ということを諭してあげてください。
▶すらすらと問題が解けないと恥ずかしい?
はい、間違いです!! このような「思い込み」に囚われている子どもの多くは、「できない=恥ずかしい」という思いがあります。
だからこそ、教師や親御さんに「分からないから教えて!」というチャンスを逃し続けてきたのだと思います。さまよい続けたあげく、ふと自分の立ち位置を見つめ直したときに、もはや方向性が分からなくなり、後戻りもできない状態だと予想されます。
このような子どもは、「はい、この問題について考えよう!」という教師の指示に、
「考えない。」
という選択肢をとりがちです。さらに、ノートをのぞき込むと隠すような仕草をする場合もあります。このような反応から分かることは、
「できない!ということは恰好悪い。だから、挑戦しない。そして、とりあえず時間が経ってその授業さえ終わればいい。」
と思ってやり過ごしているということでしょう。しかし、これが勘違いなのです。このようなお子様に教えてあげるべきことは、
「どんな問題でも正解を出すことが勉強ではない。分からない問題をどうにかして解こうと考えることが勉強なんだ。」
ということです。そりゃあ結果的に解けることは嬉しいでしょう。しかし、世の中にある問題を最初から全て解くことができるのは稀であり、そんな世の中はおもしろくないかもしれません。
大切なことは、「新しい問題を『今』の自分の力を振り絞って何とか解決しようとする。」ことで、その過程がおもしろいのであり、本当の勉強なのです。
だからこそ、まずは、正解を出そうとするのではなく、
「できるところまで考えてみよう!」
と促してあげてくださいね!!
▶テストが終われば終了?
これも、やってはいけないその場しのぎです。
どんな人でも、学んだ先から忘れていくものです。だからこそ、繰り返し練習する必要があるのです。
マインドが硬直化している子どもは、
「習ったことを思い出せない。」
ということに引け目を感じてしまいがちです。
「どうせ、覚えられない。」
と思ってしまっているからでしょう。そこで、大人の出番です。
「人間は忘れるのが当然。そのあいまいなことを思い出そうとチャレンジすることで、勉強ができるようになるんだ。」
とアドバイスしてあげてください。
「勉強ができない。」と思い込んでいる子どもほど、「1回で結果を出そう。」としがちです。
漢字練習でも、「前回練習したことが書けなかった。」というたった1回の結果から「できない。」と判断をして、練習から遠ざかろうとしてしまいます。大切なことは、「1回の練習で全部できるようになる人の方が少ない。」と教えてあげることでしょう。
▶まとめ。
本記事では、「自分の可能性を閉じているのは自分。」という内容をまとめました。
悪の権化として扱った「思い込み」は、「勉強ができない。」という固定化されたマインドを作り出すだけでなく、「努力はむだ。」という思考にも発展します。
もちろん、「努力をする。」ということは辛さも伴います。しかし、こつこつ積み上げていくという過程は、「勉強」だけではありません。懸念されるのは、勉強という1つだけの枠で失った自尊心が、他の可能性にも蓋をしてしまうことです。
極端に言えば、勉強という枠の中で全員が活躍する必要はないでしょう。しかし、それは何かしらの自分らしさを見いだした子どもたちにはおすすめできますが、全般的に挑戦できない子どもには不安材料でしかありません。
ぜひとも、「頑張れば成長できる。」というマインドセットをもてるように子どもさんをサポートしてあげてくださいね!
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