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なぜ、授業を45分で区切ってはいけないのか。

みなさんは、授業終了のチャイムが鳴ったときに、

「え~! もっとやりたかった!」

という子どもたちの反応を経験したことはありますか? きっと、教師を楽しんで続けていく上で、この経験はめちゃくちゃ励みになること間違いなしです! 子どもたちの中には、

「勉強=やらされているもの。」

という認識がまだまだ根強く残っているのが現状です。でも、諦めてはいけません。良い教師との出会いにより、

「勉強=自分から取り組むもの。」

というように必ずマインドセットすることができます!!

少し余談ですが、数年前に担任させていただいた5年生の話です。確か、3回目の5年生だったと記憶しています。

社会科で、「気候に合わせた人々の暮らし」を学習したときのこと。

「さあ、始めようか~。」

と僕が言うと、子どもたちが、北海道や沖縄県の雨温図や、家のつくりを描いたイラストをおもむろに準備し始めたのです。

もちろん、「調べてこい。」だの「資料を用意してほしい。」といったような指示は何もしていません。「明日から、新しいところに入るからね。」程度の連絡をしたくらいです。あまりにもちゃんとした準備に驚いて子どもに聞くと、

「社会科の授業は、自分で調べた資料が命なんだよ。」

と、さも当たり前のように答えます。どうやら、4年生の時に担任した社会科のスペシャリスト教師のご指導だったということにのちのち気付きました。

そのときの5年生の意欲といったらすごかったです。研究授業をさせてもらったのですが、授業を批評してくださる講師の先生に、

「子どもたちに意欲がありすぎたことが、授業の難しさになっていた。」

とコメントされるくらい、子どもたちの学習熱は冷めることはありませんでした。「そんなコメントあるか!」と今でも思っていますが、また、そういう学級も世の中にはあるのです。

「何で、勉強がつまらないの?」

と、心から言えるような子どもを育てたいと常に思っております。

余談が長くなってしまいましたが、本日の記事では、「子どもたちの学習熱を高めるには、授業を45分間で考えてはいけない。」という内容について書いていきます。

▶授業は問題の連続性で考える。

様々な授業を見させていただく中で感じることは、「僕が教師を始めたころとは授業観が変化してきた。」ということです。もちろん、良い変化ですよ! 具体的に言うと、

「問題の連続性を意識した授業展開。」

を、みなさんがどの教科でも心がけているということです。昔ながらの授業観は、

「授業の中で扱う問題は、1つである。そして、授業の最後に、その問題の答えが結論として提示されて完結する。」

という意識が強いと僕は感じていました。しかし、今は違います。授業の中で問題が解決するだけでなく、新たな問題が生まれることもあります。そして、生まれた問題を解決することなく次回に続く。といった流れも「あり」ということです。これを上手く利用することにより、子どもたちの学習意欲を高めることができるのです。

▶授業の中に「山場」を用意する。

大人が学習するときもそうですが、45分間同じトーンの同じテンポ。もうこれ地獄ですよね。どれだけ話の内容が魅力的であったとしても、集中を保つのは至難の業です。子どもたちもそうでしょう。だからこそ、授業を計画するときは、

「15分ごとに活動を区切って考える。」

必要があるのです。もちろん、区切り方は授業の内容によって変える必要はありますが、同じ活動を45分間やり続けることは、なかなか難しいでしょう。

さらに、

「授業の山場を設定する。」

ことも忘れてはいけません。簡単に言うと、「子どもたちが身を乗り出すくらい興味をもつ瞬間」を設定しようということです。書くのは簡単なのですが、これがなかなか難しいものです。社会科で言うと、

「今までの子どもたちの話し合いを根底から覆す事実。」

のようなものがこれに当たります。例えば、

「みんなは、水は大切だから頑張って節約しようと計画しているけれど、実は、水道局の人はもっと水を使ってほしいという願いをもっているんだよ。」

ということになります。これは、4年生の社会科で「飲料水」について学習したときの例です。このように、子どもたちが「当たり前」と考えていることを裏切る事実などがあると、子どもたちは「え~!」となり、「なんで?」につながるのです。そして、追究意欲が一気に高まります!

そして、追究意欲を高めたところで、「はい、終了~。」と授業を終えます。するとかなりの高確率で、

「え~! もっとやりたかった!」

となるでしょう。授業が終わった後も、予想の発表大会が続き、学習熱はなかなか冷めません。

このように、授業を考えるときは、45分で区切るのではなく、問題の連続性を意識して授業と授業の間まで含めたデザインをする必要があるのです。

▶まとめ。

本記事では、「授業は、連続性が命。」という内容をまとめました。現実的な話、教科特性によって山場の取り入れ方は難しさもると感じています。しかし、山場理論を取り入れられないのであれば、違った工夫をすることで、その教科の特性にあった学習熱の高め方があるはずです。これからも毎日追究できるチャンスに恵まれているからこそ、何かしらのヒントを見つけて書かせていただきますので、楽しみにしていてください!

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