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俳句を気楽に始めるスターターパック

俳句、詠めたらなんかかっこよくないっすか?
でもなんか難しそうで入りにくいですよね。

才能ある一部の人間にしか許されないみたいな。

そういうハードルの高さがなんかあるんですよね。

しかし。
しかしですよ。

そんな身構える必要なく俳句を詠めちゃう場があるのです。
それがこれ。

みんなの俳句大会。
2021年夏から俳句好きの方たちがnote上でおこなっている企画です。

この大会は、
一度も俳句を詠んだことのない人にもおすすめなくらい、
初心者に優しい大会です。

初心者に優しい俳句大会

この俳句大会は今回が3回目らしいんですけど、
「アポロ杯」→「白杯」→「沙々杯」
と毎回「〇〇杯」の部分が変わっています。

「〇〇杯」にはその回の大会ホストの名前が入ります。

どうやら毎回異なる人が神輿を担がれて大会ホストとなり、ドキドキしながら運営しておられるご様子なんですね。

審査員さんやスタッフさんの中にも、
「スタッフになれと声をかけられてしまったのだが……!?」
と戸惑いつつも楽しんでいらっしゃる方がいるようにお見受けします。

そんなノリの大会ということもあって、とことん初心者に優しい環境になっているのが最大の特徴。

投句をするなりたちまちにスタッフの方々が駆け付け、俳句を褒めちぎっていく光景も散見されます。
私も普段ではありえないレベルでめちゃくちゃ褒められました。

こりゃあ、人生初の俳句投稿をするのにうってつけ、ってわけよ!

俳句 簡単に詠む 方法

そうは言っても「俳句って難しそう」ってイメージを持っている方はまだ多いと思います。

そんなあなたに簡単に俳句を詠めちゃう方法をご案内いたします。

3音と4音の言葉がカギ

俳句は五七五の定型詩です。

なので5音、7音の言葉を作らなければなりませんが、
そこで苦労される方も多いことでしょう。

簡単に俳句を詠める方法、それは
「3音や4音の言葉を探すこと」
だったりします。

5音でも7音でもなく、
3音と4音です。

たとえば「簡単(かんたん)」って4音ですよね。
「俳句」は3音。「詠める」も3音。
これら3音と4音のワードを使って俳句の形にしてみましょう。

簡単に俳句が詠める炬燵こたつかな

気付きましたか?
日本語って、単語と単語を助詞で接続することが多いんですよね。

そして助詞は大体が1音です。

なので俳句には
4+1で5音、
3+1+3で7音

という形が非常に出てきやすいのです。

もちろん7音を作る時には、
3+4 や、4+3も使えます。

たくさん俳句。俳句たくさん。
こんな感じでも7音が作れますもんね。

理屈をまとめます。

【4音の言葉】
助詞をくっつければ5音になる。
3音の言葉をくっつければ7音になる。
なので、とっても使いやすい。

【3音の言葉】
7音を作る時に超便利。
4音とくっつけてもいいし、
3+1+3の形でも7音を作れる。

より汎用性が高いものとして3音と4音を紹介いたしましたが、
5音や6音の言葉も結構便利なので、
見つけた際にはぜひご検討を!

冬の季語 使いやすい

俳句と言えば季語。季語と言えば俳句ですよね。

なんか俳句って季節の言葉を入れなきゃいけないっぽい。
というのはみなさんご存じのことでしょう。

しかし「沙々杯」では季語のない俳句も歓迎されています。
冬っぽければOK、というのがレギュレーションです。

なので別に季語について深く考えなくても、沙々杯には応募できます。

そうは言っても季語を使って俳句っぽくしたいと思うかもですね。
そんな方のために初心者でも使いやすい季語をいくつかセレクトしてみました!!

☆セレクト基準☆
・俳句に馴染みがなくても身近であること
・初心者でも扱い方がわかりやすいこと
この2点を意識して選んでみましたよ。

5音の季語

5音の季語は、上五や下五にそのまま入れちゃえて手軽な季語です。

冬夕焼ふゆゆやけ
ゆうやけではなく、ゆやけ、と読むことで5音になっています。
俳句ではよくある形です。
単に「夕焼」だと夏の季語ですが、冬の夕焼けは色が鮮やかなところが特徴です。
この季語の便利ポイントは、具体的な光景を持っている点。
映像が受け手の脳内に浮かぶ俳句になりやすいですよ。
また「寒夕焼かんゆやけ」という言い方もあります。
「寒」というのは寒の入り~立春までの寒さが厳しい期間を指しています。(だいたい1月のことですね)
字面も手伝って「寒夕焼」の方がより寒さが強調された印象を与えられますね。
色を強調して「冬茜」「寒茜」ともでき、いずれも5音です。

【冬の朝】
冬っていうのは寒い季節ですが、朝は特にその寒さが強調されます。
とりあえず寒さを強調しておきたいぞって時には便利な季語です。
ただし、さっきの「冬夕焼」とは異なり具体的な光景とは言えない季語です。
なにかしらの物体やら光景やらを描いてあげると綺麗にまとまると思います。

【冬休み】
学生が主役の句を詠みたい時に便利な季語です。
この季語さえあれば「学生」だの「子」だのと言わなくても学生であることが伝わります。
なので残りの12音は、光景の描写や心情の吐露に集中できちゃいます。
学生に関係する季語といえば「入学試験」や「受験」「受験生」などは春の季語となります。

【日向ぼこ】
日向ぼっこでなく、日向ぼこと言うことで5音。
夕焼けの件もそうですが季語は5音だと都合が良いので、日常では用いない言い方でも5音になる読み方を採用することがよくあります。
寒い冬は厳しい印象のある季節ですから、冬の季語もそういう厳しい印象を抱えた季語がたくさんあります。
「日向ぼこ」は冬の季語としては貴重な、のほほんとした季語です。
のほほんで冬の句を詠みたい時にとても便利。
うまく使えば悲しさなどを際立たせることも可能です。

【クリスマス】
もう過ぎていますが、使いやすい季語だとは思うので紹介。
クリスマスシーズンは世の中がクリスマス一色になりますから、俳句のタネも多そうです。
(ちなみに「聖誕祭」や「サンタクロース」も季語です)

4音の季語

4音の季語の場合、
上五に「〇〇や」とする形が使えます。
「や」は詠嘆で、その前にある言葉を強調します。
切れ字ってやつです。

もちろん普通の助詞を使っても5音にできます。
そのため上五に置きやすい季語です。

【重ね着】
上五を「重ね着や」「重ね着の」と始めて冬らしい寒さを描いた上で、服に話の焦点を持っていく……。
そんな綺麗な展開を作りやすい季語です。
ファッションを楽しむウキウキを描いてもいいですし、
どういうふうに寒さを対策したのか描くのも面白そうですよね。
ただ「セーター」「マフラー」なども冬の季語なのでそこはちょっと注意かも。
似た季語に「着ぶくれ」もありますよ。

【手袋】
寒さ対策の衣類の中でもとりわけ表情豊かなのが手袋です。
行方不明になったり穴があいたり。
その自由奔放っぷりは俳句のネタに事欠きません。
そんなお茶目な手袋を丁寧に描写してあげるとよさそうです。

【暖房】
「ストーブ」や「ヒーター」「炬燵こたつ」なども冬の季語です。
暖房をつけた部屋でなにをしているのか?
など、室内の様子を描くことを意識してみると句が浮かびやすい季語だと思います。
とても身近な物ですから、その家ならではのルールや光景があるかもしれませんね。

冬晴ふゆばれ
冬の晴れた日。気持ちのいい季語ですね。
日向ぼこ同様、明るい俳句が詠みやすい季語だと思います。
せっかく晴れているので外で活動している感じが出せるとますます元気があってよさそうですね!

【白菜】
冬によく使う野菜と言えば白菜。
食べ物を詠めば寒い冬でもぽかぽかした句が詠みやすいですよね。
白菜を使った美味しいレシピを見つけたらその料理について詠んでみるのもいいかもです。
ちなみに「大根」とかも冬の季語です。

3音の季語

下五で「〇〇かな」とする形が使えます。
「かな」も切れ字で、強調をしてくれます。

【寒し/寒い】
とてもシンプルな季語です。
素直に寒さを言ってもいいのですが、
「寒さを余計に感じるようになったきっかけ」
を詠む時に使うととても効果が出ます。
たとえば「液晶の割れたスマホの寒さかな」みたいな感じで、視覚情報と組み合わせるのがやりやすいと思います。
ちなみに「暖か」は春の季語。冬にこそ使いたい言葉なんですけどね……!

【おでん】
冬の定番ですよね。
おでんの周辺にある人や場所に目を向けてみると様々な発見があると思います。
おでんを食べる人の仕草だったり、
コンビニでおでんを買う時の気持ちだったり。
人の営みが見えてきやすい季語なんじゃないかなと思うんですよ。

懐炉かいろ
外出時にあると嬉しいカイロ。
小さいので全身を温めるのに至らなかったり、
そのうち冷めてしまったりと、
単に温かいだけではない、少し頼りなさげな要素も持っているので様々な心情を表せる器です。

【スキー】
これも冬の季語。「スキー場」「スノーボード」なども季語として使えます。
スキーを趣味とされている方はスキーで詠んでみると良い俳句が作りやすいと思います。
日常の中から発見した詩は素敵な俳句になるものです。
スキー以外でも、自分の身近にあるものから詩を取り出すことを考えてみるのはとても良い方法だと思います!

季重なり チェッカー

俳句の世界では、
一句の中に入れる季語は一つが望ましい
とされています。

そして季語が二つ以上あることは「季重なり」と呼ばれています。

必ずしも守らないといけないわけじゃありません。
ですが、上級者にも通用する俳句作りの基本と考えられています。

季語は俳句の主役として扱われることが多いです。
たった17音しかない狭い舞台に、主役が2人いたらどうなるでしょう?
お互いに足を引っ張ってしまうかもしれませんよね。
だから季重なりは避けよう、ということが叫ばれるのです。

そうは言っても初心者の方が季重なりを避けるのは大変です。
だって「寒い」も「暖か」も季語なんですよ?

身近にある意外なものが実は季語でした!ってことはよくあるんです。

そんな時、季重なりを確認できるツールがあったら便利だと思いませんか?
……実はあるんです。

じゃじゃーん!

ウェブ上で動く季重なりチェッカーです。
初心者がしがちな季重なりをキャッチすることを目標に開発しました。

こういうのあったら便利だと思って、
この私が!
私のサイトで!
公開しているという代物です(えっへん)

テスト版であること、
私自身にプログラミングスキルがそうあるわけではないこと、
などの事情から完璧に季語を検出できるわけではありません。

しかしまあ「無いよりかは圧倒的に良い」くらいのクオリティにはなっていると思います。
ぜひご活用くださいませ。

あとがき

みんなの俳句大会では、
私が普段交流している方もスタッフ側で活動しておられます。

なのでそのみなさんを応援したい気持ちでこの記事を書き始めたはずでした。

でも最終的にはなぜか自作のツールを宣伝する記事になっちゃいました。
てへっ。

あと、2000文字くらいの記事になるかなって思って書いたのに、
4000字超えていてびっくりしました。

俳句を続けたくなったらこちら

俳句を続けたい。
でも初心者歓迎の優しい場所がいい。

そんな方にはこちらがおすすめです。

俳句幼稚園。
私が普段お世話になっているコミュニティです。

俳句を投稿すると優しい先生たちが見てくれます。

「ここ悩んでいるからアドバイスください🐣」
って言えば、みんなが頭をひねって助言してくれます。

入園の方法については私は詳しくないので、
担任の紫乃先生が書いたこちらの記事をご参照ください。

リンクまとめ

応募しよう!沙々杯

チェックしよう!季重なりチェッカー

参加しよう!俳句幼稚園


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