虹をつかもう 第8話 ――黒――
https://note.com/hanei/n/n9c8a0aa6e11e
ぼくは、この頃、身を守るため、そして精神状態の悪化から、学校に行く以外は自宅にこもり、塾に行くことも控えるようになっていた。
教室にいるのが怖い。いつ火の粉が飛びかかるかと思うと、恐ろしくて仕方がない。平静を装い、漫画雑誌に目を落とすが、このポーズにもさすがに無理を感じる。気がつくと、汗の滴が床にこぼれていた。緊張のためか、机の開口部の縁、金属の部分を、右手でつかんだままになっていたのだ。
ぼく