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余裕がなくてしばらく読めずにいた

 瀬尾麻衣子さんの小説『そして、バトンは渡された』を、ここ最近急ピッチで読み進めている。というのも、先日本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』を早く読みたいからだ。
 『そして、バトンは渡された』の中で、合唱曲「一つの朝」を歌うシーンが出てくる。
 私は学生時代合唱部だったのだが、「一つの朝」は歌ったことないなあと思いながら読み進めていたら、本文中に出てきた歌詞を見てはっと思い出した。
 あーこれ合唱部の定期演奏会で歌ったことあったわー!
 そうだ、ノアの箱舟の歌である。
 合唱部顧問のO先生の提案で、その時の合唱部に「ゆうき」という名前の人が二人いるからという理由で、この曲を歌うことになったんだった(♪勇気と知り合うこと♪だからである)。
 そのぐらいのことしか覚えていない。練習がどうだったかとか、どのような気持ちで定期演奏会当日を過ごしたのかなど、細かいことはもうすっかり忘れてしまった。それだけその当時は生活や心に余裕がなかったのだと思う。
 そんなことを思い出させてくれるのも、読書の良いところなのかもしれない。

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